約 3,642,641 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4213.html
……ゆっくりでも育ててみるか。 ある春の日の昼下がり、私はふとそんな事を考えた。 ゆっくり、ここ数年姿を現した不思議生命体を育てるのは金も手間もそれほどかからない。 思い立ったが吉日とさそく準備を始める事にする、まずはゆっくりの用意だ。 それ用のゆっくりは売っているが、本格的に育てるのではないので買うのは却下、なので野良を捕まえてくる事にする。 ゆっくりを探しに家を出て数分、獲物はすぐに見つかった。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 黒い帽子を被った顔のような薄汚れた野球ボールぐらいの物体、ゆっくりまりさという種である。 時間的に昼食だろうか、道端に生えている草を抜いて食べていた。 私は少しだけ考えてこのまりさを育てる事にした、ではさっそく捕まえる事にする。 そのままこっそりと近づいて捕まえても良いのだが、万が一逃げられるのも次を探すのが面倒なので罠を使う。 私は物陰に隠れ、用意していた釣り針に釣り糸を括り付け、コンビニで買った饅頭を刺してまりさの後ろあたりに投げた。 ――ポトン 「ゆ?」 まりさは後ろに何か落ちた事に気付き振り返る。 そしてそれがお菓子だと分かった瞬間、その目の色を輝かせた。 「ゆゆっ! あまあまさんがおちてるよ!!!!」 怪しいとも思わずはしゃいでいる、単純なものだ。 これが長く生きたゆっくりなら怪しむだろうが、あの大きさから見て成人近くの子ゆっくりか、成人して間もないぐらいだろう。 まりさは怪しむ様子も無く、口を大きく開けて餌に向かって飛びついた 「あまあまさんいただきまーす!! むーし……ゆぎぃ!?」 「ゲット」 うまく口内に釣り針が刺さったのを確信、逃げられないのを確認して物陰から出る 「うう、いうえうはうはよ、ゆっふひひへふひょ(ゆゆ、にんげんさんだよ、ゆっくりにげるよ)」 口に針が刺さって何を言ってるか分からないが、逃げようとするのでとりあえず捕まえる。 口の中から針を取ると、文句を言い出す前に持っていたコンビニ袋に入れて口を縛り鞄に入れた。 ゆっくりを捕まえた私はついでに必要なものを買って家に帰ってきた。 買ってきたものを入れた紙袋を机に置き、鞄の中からゆっくりを取り出す。 「ゆ……、ゆ……」 せっかく捕まえたまりさが危ない感じに痙攣していた。 まぁ太い針で口を蹂躙され、そのまま通気性の悪いビニールに詰められ身動きが取れず、狭い鞄の中に放り込んだんだ、当然だろう。 というか考えてみれば良く生きていたものだ、さすがゆっくり無駄に生命力がある。 とりあえず死なれるとまた捕まえに行くのが面倒なので、洗面器に放り込み買ってきたオレンジジュースを少し流し込む。 さて、まりさがある程度回復するまで準備をしておこう…… 「ぺーろぺーろ。……ゆ? おにいさ、ゆっくりしていってね!!」 必要な準備を整えて部屋に戻ると、元気になったまりさが洗面器の底に残ったジュースを必死になってなめていた。 私が来たのに気付いて御約束の挨拶をするとすぐにまた洗面器をなめる作業に戻ったが、もう完全に無くなったのに気付き悲しそうな声を上げる。 「ゆ~、なくなっちゃったよ。……おにいさん、まりさはもっとあまあまさんなめたいよ! ゆっくりもってきてね!!」 おやおや、いきなり催促とは。おそらくあまりお頭の宜しくない固体なのだろうが、まぁ今から育てるのには関係ないので良いとする。 私は返事を返す事無く、まず準備のためまりさをひょいっと持ち上げた。 「ゆ~! おそらをとんでるみたい~!!」 まずこのままでは汚いのでぬるい湯を用意した桶に入れて、ジャンプーで汚れを落とす。 「ゆ~♪ ぶくぶくさんがきもちいいよ~! とってもゆっくりできるね!!」 一通り洗い終えたらシャンプーを流し、柔らかいタオルで体を拭いて、ドライヤーで乾かしてやる。 「まりさ、とってもゆっくりできるよ! おにいさん、ゆっくりさせてくれてありがとう!! おれいにいっしょにあそんであげるね!!」 無邪気にはしゃぐまりさ。そんなまりさを再び持ち上げ、その楽しそうな言葉を発するまりさの口にオレンジジュースで塗らした脱脂綿を詰め込む。 「ううっ!?」 気分は天国から突然の地獄へだろうか? 突然の事に目を見開くまりさだが無視、口に入らなくなるまで脱脂綿を詰め込んでいく、そりゃもうぐいぐいぐいっと。 「ううー!!」(やめてね!! まりさのくちにいじわるしないで……ゆぎゅ!?) あごが外れたのだろうか、白目をむいて痙攣するまりさ。 だが脱脂綿に含まれたオレンジジュースの効果によって死ぬことは無いので無問題。……考えてみれば残酷な生態である。 さて、限界まで詰め込んだのを確認した私は用意していたまな板の上にまりさを寝かせるように横に乗せる。 そして保険のオレンジジュースで前進を塗らした後、包丁を取り出してまりさの底の部分を深めに切断した。 「!!!!!?????!?!!!????!」(うぎぃぃぃぃぃぃぃ、まりさのあしさんがいだいぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?) この時、背の方に斜め気味に切るのがミソだ。続いて剣山を用意して切った部分に突き刺す (やべでぇ……、ぎずぐじざんが……、ぎずぐじざんぐりぐりじないでぇ……) ある程度深くまで刺さったのを確認し、溶かした小麦粉とオレンジジュースを混ぜたものを入れたボールの中にその部分を漬ける。 暫くしてボールの中から出すと、漬けていた足の切り口と剣山が綺麗に一体化していた。 ぬれた部分を拭いて机の上におけば、斜めに切って突き刺していたために少し上を向いたようになるのがポイントだ。 ――ガタガタガタ (ゆっ! ゆっ!! ゆゆっ!!!! あしさんがぜんぜんうごかないよ!? おにいさん、ゆっくりなおしてね!!!) まりさは必死になって体を動かしているが、一体化した剣山が土台となった足が動くはずも無くガタガタ体を揺らすだけだ。 ここまで手を入れたまりさを底に脱脂綿を詰めた鉢植えに入れ、まりさの周りにも一杯になるまで脱脂綿を詰めていく。 (ゆぎぎぎぎぎぎっ!? ぐるじいよ、やめでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!) この時まりさの体が斜めになっているため、目が鉢植えの外に見えているのがチャームポイントだ。 さて、仕上げだ。周りに脱脂綿にオレンジジュースを水をかけ、脱脂綿を濡らしていく。 (ゆ~、あまあまさんのあじがくちにひろがっていくよ~♪) まりさのめが気持ちよさそうに細まる、周りの脱脂綿を通して口の中の脱脂綿にオレンジジュースが染み渡っていってるのだろう。 また体もほぼ全体がオレンジジュースに浸された状態だ、これで簡単には死なない。 最後の仕上げと買ってきたゆっくり用のアンプル「孕ませありすちゃん200X」を取り出し、暴れないように最後まで被せていたまりさの帽子を退かしてその頭に突き刺した。 (ゆぎぃ!? ……ま、まりざの、おぼうしさんとらないでぇぇぇ!!!!!!) 今度は何かを訴えるような目になるが、その目もアンプルの中身が入っていくにつれトロンとしたものに変わる。 暫くして、中身が完全に入ったまりさの顔は赤みを帯び、からだはぶるぶる震えだし、そして…… (ゆ、ゆ、ゆ、ゆ!! すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!) 最後に一際大きな振るえと共にその額から蔦が伸びて行き、小さなまりさとありすが実った。 (ゆ、まりさのあかちゃん? ゆっくりして……) 「ゆぎゅ!?」 (…………ゆ?) 実ったゆっくり達を鋏で切り取り捨てていく。 切り取られたゆっくり達は親からの送られる栄養の供給をたたれ、苦悶の声を上げながら次々と死んでいく。 (やめてね! ゆっくりやめてね!! まりさのあかちゃんたちをきりとらないでね!!! ゆっくりできなくなっちゃうよ!!!!) 滝のように涙を流すまりさを尻目に、最後のありすを切り取ってその切り口に雑菌が入らないように薬を塗る。 これを何度か繰り返して、程よい数の蔦が揃えば準備は完了でる。 これから暫くの間、まりさを「観葉植物」としてノンビリと育てていくのだ。 壊れたおもちゃのように涙を流すまりさの目に、私は優しい微笑を向けた。 二週間後、まりさから伸びた蔦は青々とした葉が付いていた、きちんと手入れをした為か色も形も実に良い。 そんな生き生きとした葉に対して、根となっているまりさの瞳からは理性が消え、虚ろな物へと変わっていた。 動く事も話すことも出来ず、ただそこにあるというだけの状況に耐え切れず、考える事を止めたのだろう。 それを確認した私は葉の一枚を切り咀嚼する。……甘い、芳醇な甘みが口いっぱいに広がる。 葉の繊維の食感と、柔らかい砂糖のような甘さが口の中で融合し合い、何とも言えぬ旨みを演出していた。 さて説明するとこの葉は『ゆーくりの葉』と言われている、ゆっくりから取れる野菜である。 ゆっくりの餡と同じくゆっくりの感情によって甘みを増すこの葉は、その甘みとは裏腹に食物繊維が豊富で子供のおやつやダイエットのお供に人気の品なのだ。 考えるのを止めるほどの絶望を元としたこの葉は実に深みのある良い味へとなった、そろそろ収穫時だろう。 数も多いし、せっかくなので友人にもおすそ分けする事にした、たしか友人のれいむとれみりゃが子を産んだはずだ、祝いには調度良い。 そう決めると私は蔦ごとまりさから『ゆーくりの葉』を引き抜き、不要となったまりさを燃えるゴミの袋に放り入れ、玄関へと向かった。 【あとがき】 絵でゆっくりを鉢植えに入れて育ててる絵を見て、なんとなく自分も育ててみたくなったので書いてみた。 主人公視点なのにまりさの心の声が書かれてたりと変な所が多いのは自分の実力不足です、もしわけない。 このような作品を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。 【書いた作品】 ゆっくり出来ない時代 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3426.html
「ゆっくりシェイキ」 初投稿です。ゆっくりたちの知能はかなり低めに設定されております。あしからず。 道ばたでゆっくりしていたゆっくり一家。 親はれいむとまりさ。子供は五匹で子れいむが三匹、子まりさが二匹。 とてもゆっくりしたゆっくりをおにいさんは家に招待していた。 ゆっくりプレイスに連れてってあげると言われたゆっくり一家は期待に満ちておにいさんについてきたのだ。 「ゆっくりしていってね!!ゆゆっ、ここがゆっくりプレイスなの!?」 おにいさんの家に着くとゆっくりれいむは言った。 「そうだよ、思う存分ゆっくりしてね」 「ゆっくりプレイスなら食べ物があるはずだよ! おにいさんは食べ物を持ってきてね」 「もっちぇきちぇにぇ!!」×5 「わかったよ、今あまーい飲み物を持ってくるから待っててね」 「ゆっくり待ってるよ」 準備のためにおにいさんは台所へと向かう。 おにいさんは心底楽しそうに冷蔵庫から牛乳と卵を、 戸棚からナイフとスプーン、電動泡立て器と小麦粉、ストローの束その他諸々の道具を取り出す。 おにいさんはゆっくり一家が楽しそうに飛び跳ねたり、お歌を歌ったりしてゆっくりしている部屋に戻った。 「まりさはゆっくり待ちくたびれたよ。あまあまはまだなの?」 親まりさが近づいてきた。 親れいむと他の子供たちはまだ気づいていない。 自分たちでゆっくりすることに夢中なようだ。 「ちょっと待っててね。今、作るからね」 「ゆっ!早くしてn・・・ゆぐっゆ”ぐ」 まりさがそう言うと同時におにいさんはまりさの口をガムテープで塞いだ。 おにいさんはまりさの帽子を取ると 手際よくナイフで頭頂部付近の皮だけを切り取る。 おにいさんはナイフをスプーンに持ち替え、 露出している餡子をスプーンの腹の部分でなぞる。 まりさは涙を流しながら小刻みにふるえている。 数回なでたあと、一気にスプーンを餡子に突き立て中身を掻き出していく。 用意した取り皿に掻き出した餡子を盛っていく。 激しく動き回るまりさを押さえながらおにいさんは作業を進める。 まりさの体積の三分の一ほどを取り出すとおにいさんは満足したのか、 スプーンを取り皿に置いた。 れいむと子供たちは遊びに夢中なようでまだ気づいてない。 おにいさんは今度は牛乳をまりさの頭頂部の”穴”に注ぎ始めた。 少し入れたところで注ぐのを止め、スプーンで中身をかき混ぜ始めた。 ぐしゃっ、ぐしゅ、じゅしゅ 餡子と牛乳の混ざり合う音がする。 「ゆゆっ!おじちゃん何やってるの!?」 親れいむが音に気づいたようだ。 「あまーい飲み物を作ってるんだよ。もう少しだからゆっくり待っててね。」 「ゆっ、わかったよ。ゆっくり急いでね。れいむは子供たちと遊んでるね!」 上手い具合に餡子に牛乳がしみこんだところで、おにいさんはさらに牛乳を入れ、生卵も入れた。 そして今度は電動泡立て器を穴の中に差し込む。電源を入れる。 「ウィーーーーン、じゅじゅっじゅじゃじゃ」 まりさの中で泡立て器が高速回転し、中身をなめらかに混ぜていく。 良い具合に泡立ったところで泡立て器を取り出す。 あずきミルクシェイキの完成である。 まりさはというと目から白色の涙を流しながら白目をむいていた。 ぶるぶる震えてはいるが意識があるのかないのか、 ぱっと見では判断がつかない。 顔面や底部付近の中枢部分の餡子には傷つけないように していたので命や機能に別状はない。 おにいさんは近くにいた子れいむに声をかけた。 「あまあまができたけど、特別にれいむにだけ先に味見させてあげようか?」 「ゆゆっ、ときゅべちゅ!?れいみゅかわいいからときゅべちゅっ!?」 「そうだよ。他の子たちに気づかれる前に早くこっちへおいで。」 「ゆっくりはやくしょっちにいきゅよ!」 近づいてきた子れいむにスプーンですくったまりさの中身を与える。 「ちゅーちゅー、ちあわちぇーっ!!」 「ゆゆっ!こりぇちゅごくおいちいねっ!!」 「だろっ?もっと欲しいかい?」 「もっちょほちいっー!」 「そうかそうか」おにいさんはそう言いながら子れいむを持ち上げる。 「おしょらをちょんでるみちゃーい!」 子れいむは楽しそうだ。 子れいむをつかんだおにいさんの手が向かうのは、親まりさの頭頂部の”穴”。 「ゆっ、あれがあまあまだにぇ!!」 子れいむは帽子を外した親まりさを親まりさとして認識できていないようだ。 おにいさんは子れいむの顔が上を向くようにして 親まりさの”穴”にはめ込む。 そして素早く水で溶かした小麦粉を使って子れいむの体を まりさ本体と癒着させてしまった。 「せなかがちべたいよ。」 「はやくゆっくりれいむにあまあまをちょうだいにぇ!」 いまいち事態が飲み込めてないようだ。 おにいさんは先ほど親まりさから掻き出した餡子を子れいむに与えておく。 「あまあまー!ちあわちぇー!!」 「ゆ♪ゆ♪ゆっくりーー!」 子れいむは満足そうだ。 不気味な表情で牛乳でゆるくなった体をぶるぶると小刻みに震えさせている金髪の饅頭。 さらに気持ち悪いことに頭頂部から体半分、子ゆっくりが飛び出している。 「さて、仕上げだ」 そう言うとおにいさんはまりさの頭頂部に癒着している子れいむの目にストローを突き刺す。 「ゆぎゃーーーーー!!!れいぶのおべべがぁあーーーっ!」 あまあまを貰っての満足状態から一点、地獄のような痛みに突き落とされる。 悲鳴が意外に大きかったので他のゆっくりに気づかれないかと思って 見回したが、気づかれていない。 あっちはあっちで騒がしいようで多少の悲鳴が届く余地はなかったようだ。 おにいさんはストローに口を付けると息を吹き込む。 「ゆぎゅぎゅぐうぇ--!ぐぎぇっ」 子れいむは体内の餡子が押し出される痛みに悲鳴をあげる。 ストローは子れいむの体を完全には貫通できていなかったようで、 おにいさんの吹き込みは体内の餡子をかき混ぜる結果をもたらした。 「おっと、ちょっと失敗したな」 おにいさんはそう言い終えると、再びストローを子れいむに押し込む。 ストローが子れいむの背面を貫通した手応えを得ると、 再びストローに息を吹き込む。 ストロー内の固形物が親まりさのミルクシェイキに送られる。 これでこのストローから親まりさ特製あずきミルクシェイキを飲むことが できるようになった。 「ゆぐっ、ゆぐぐっ、おべべがっ・・・」 子れいむはストローが貫通したことで多少痛みが和らぎ 落ち着きを取り戻しているようだ。 反対の目にも同じようにストローを刺す。 「ゆぎゅぎゅっっ、おきゃーしゃーんっ!たちゅけちぇーー」 先ほどの悲鳴でも姉妹のゆっくりや親れいむは声に気づかなかったのだから、今更助けを呼んでも気づくはずはない。 しかし、うるさかったのかおにいさんは子れいむの口内にストローを つっこみかき混ぜる。 ぐちゃぐちゃになった”お口”だったもの、 これでもう子れいむから声は発せられることはない。 「最後に帽子をかぶせてできあがりっ♪」 おにいさんはストロー用の穴を帽子に空け、帽子を親まりさにかぶせる。 子れいむは完全に帽子に覆われ隠される形だ。 ぱっと見はごく普通の成体まりさ。 しかし、帽子部分を見るとそこから二本のストローが左右に飛び出している。 違和感はあるが、あれほどの加工が行われたとは思えない。 「じゃあ、そろそろ家族にもあまあまを味わってもらおうねぇー」 おにいさんは親まりさに話しかける。 「さあー、みんなあまーい飲み物ができたよ!」 パンパンと手を叩き、おにいさんは部屋の反対側で 遊んでいたゆっくりたちに声を掛ける。 ゆっくりたちは遊びを止めておにいさんに向かってやってくる。 「おにゃかちゅいたー!」 「おにいさんはゆっくりしすぎだよ。」 「れいむのかわいいこどもたちがおなかを空かせてるよ!ぷんぷんっ!!」 親れいむは周囲を見回すがそれらしいものが見あたらないらしい。 「ゆゆっ!あまあまはどこにあるの早くだしてね!!」 「あそこだよ。ストローが見えるだろ?」 おにいさんは先ほど処置した親まりさを指さす。 「ゆ、ほんとうだ。きっとまりさがれいむたちのために あまあまをとってくれたんだね!!」 親れいむは親まりさに近づいていく。そこで 「まりさ、ありがとうね!ゆっくりあまあまをチューチューするよ!」 そう宣言してストローからミルクシェイキを飲み始めた。 「おかーしゃんだけじゅるい!れいみゅもー」 「まりちゃもあまあまほちー!!」 子ゆっくりたちもストローに群がる。 さっきから親まりさの返事がないどころか、 怪しく痙攣していることには一切気づかないようだ。 親まりさの体は家族に中身を吸われて徐々にしぼんで行く。 「さーて、そろそろまりささんからも一言感想をいただこうかな。」 おにいさんは親まりさの口に貼ってあったガムテープをはがす。 「ゅー、ゅー・・・」 今この瞬間にも家族に中身を吸い出されている親まりさは 到底、感想を言える状態にはない。 おにいさんは紙パックタイプのオレンジジュースを取り出すと ストローを突き刺す。 さらにストローの反対側をまりさのあご付近に突き刺し、 紙パックを握りつぶす。 高速かつ効率的なゆっくり蘇生法である。 中枢餡付近に急速にオレンジジュースを流し込むことにより 瀕死のゆっくりを即座に治療する。 「ゆっ!ゆげgーーげっっg-」 餡子の活動が再び活性化したために痛みも鋭いものに変わったのか、 叫び出すまりさ。 これにはあまあまに夢中だったゆっくり一家も気づく。 「まりさ!どうしたのっっ!!」 親れいむは親まりさを心配したのか飲むのを止め、まりさの正面にまわる。 「ゆっ、ゆぐっ、ばりざのながみ”のまないで・・・っ・」 「ゆー?まりさ、だいじょうぶだよ。どこからも餡子もれてないよ。」 かみ合わない会話をする二匹。 適当なところでおにいさんが種を明かす。 「はっはっは、れいむは馬鹿だなぁ。」 そう言って、まりさの帽子を取って見せた。 「よぉーく、見てごらん?」 「ゆっ?」 「へんだよ?あまあまさんはどこにいったの?」 確かにれいむの言うとおりストローとまりさの頭の間には特に何もない。 変なコブはあるが。 「ストローの先をよく見てごらんよ。あまあまはどこにも行ってないよ。」 れいむの視線がストローを辿る。 「ゆっーー!どぼぢて、ストローさんがまりさにさざっでるのーーっ!!」 「おーおー、わかってきたじゃないか!」 おにいさんはうれしそうに言う。 「もっとしっかり見せてあげよう」 おにいさんはれいむを拾い上げるとまりさの頭頂部が 見えるようにれいむを持ち上げた。 「れいむのあがぢゃんが、あがぢゃんがぁああー」 「おー、そうそうあかちゃんもいるよ♪」 両目をストローに貫かれ、口の中身を攪拌された子れいむは ピクピクと小刻みに震えているだけだ。 「おに”いざんおでがいでずがら あがぢゃんどばりじゃう゛ぉだづげでぐだじゃびいいいー」 親れいむはぐしゃぐしゃの顔で叫ぶ。 「何言ってるかよく分からんが、まあ、落ち付けって」 「見てなよ」 おにいさんはまりさにつながるストローに口を付け、吸い始める。 「ゆ、ゆ、ゆぐ」 変な声で呻くまりさ。 ストローが動いたことで痛むのか激しく身震いし、 眼孔、口腔から液状の餡子をにじませる子れいむ。 「やあ、さすが君のまりさはおいしいなっ」 おにいさんは満面の笑みで親れいむに声をかける。 「やべで、まりざのこといじべないでええっー」 「別にいじめてないさ。おいしいあまあまを飲んでいるだけだよ。」 「れいむもさっきおいしそうにしてたじゃないか。」 「だっでばりじゃがあばあばぼどでぎだどおぼでぞじだらばじざが あばあばであばあばがばでだででびぶがばじだどあばばじ」 「本格的に意味分からんw」 おにいさんは訳分からず泣き叫ぶ親ゆっくりを放り捨て、 適当な子ゆっくりを捕まえた。 「おにいしゃん、まりしゃにひどいことしにゃいでにぇ」 「大丈夫だよ。いっぱいゆっくりできるようにしてあげるだけだからね。 怖がらなくてもいいよ。」 そう言うが否や、子まりさの頬をつまみ、 ストローに子まりさの口を当てると 瞬間接着剤を口とストローとの接着面に塗りたくった。 適当に押さえておきながらドライヤーを当て乾かし、手を離す。 「なんと!まりさの頭からあかちゃんゆっくりがっ!」 確かにまりさの頭からストローが生え、子まりさがそこにくっついている様子は ゆっくりの植物型にんっしんに見えなくもない。 「反対側もやるか」 「次はれいむが良いかな」 そういうと親れいむの側で震えていた子れいむを捕まえ 反対側のストローに同じように子れいむを接着してしまう。 ちょうど作業が終わった頃に落ち着きを取り戻した親れいむが声をあげる。 「れいぶのかわいいあがぢゃんにひどいことしないでね。 はやくもどにもどしてあげてね!」 「まりさもだずげてあげてねっ!!」 涙目になりながらも毅然としておにいさんに要求を伝える。 「まあまあ、安心しろって。 れいむのあかちゃんたちもそう悪くはない状況だぞ。」 「なんせストローを吸うだけですぐあまあまにありつけるんだ。」 「とんでもなくゆっくりした生活が送れると思うんだがなあ」 「そういうもんだいじゃないでじょおおーー」 「あがぢゃんだぢおうだどかうだえなぐなっぢゃうじゃないいぃ」 「まりざもあれじゃゆっぐじでぎないでじょおおぉー! ぞんだごどぼわがらないのぉお」 「まあ、細かいことは気にすんなって、な、ゆっくりゆっくり」 「とりあえず今日のところは終了だから。おうちへお帰り!」 親まりさには帽子を被せ直してから、 泣き叫ぶ親れいむと一緒に抱え上げて、玄関から放り出した。 「みゃみゃー、おいでがにゃいでー」 一匹だけ無事に残った子れいむは勝手に親について出ていった。 「じゃあな、みんな!達者で暮らせよ!!」 おにいさんはさわやかな笑顔で玄関を閉じた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/285.html
ゆっくり霊夢の親子が現れた! しかし親子はおどろきとまどっている。 その間に捕獲した。 「ゆ!ゆっくりできないよ!なにしてるの!?」 「おかーさーん」 「ゆっくりだしてね!」 網の中でぽよんぽよんと跳ねて抗議しているが、毛程も脅威を感じさせないとは、たいした奴だ。 親も含めて4匹。まぁまぁかな。 林を抜けると、やがて空気が湿り気を帯び、水の匂いと涼しげな風を感じるようになってくる。 湖だ。 里の人間には紅魔館が近くにあることで有名か。 あと豆腐屋がよく、紅魔館の門番は寝てばかりいて大丈夫なのか?たまに裾から覗く太ももがまぶしいとか言ってたかな。 一度拝んでみたいものだ。 メイド長の脚線は里でたまに見たことがあるのだけどねぇ。 紅魔館が誇る二大脚線美!とかやって大々的に売り出さんものか。 話を戻すと、この湖は若者の逢引場のようなものになっているので、桟橋も作られていて小舟もあったりする。 「さぁ、ついた!ここで思う存分ゆっくりさせてやるぞ!」 「ゆっくり!」 「おにーさんゆっくりさせてくれるの!うれしい!」 口々にそういうゆっくり霊夢たちを網から出してやる。 桟橋の上は適度に涼しく、日も当たっているのでなかなかに過ごしやすい。 元気に飛び跳ねているゆっくりたちに、パンくずをばら撒くとすぐに群がってくる。 「はうはうはう。おいしい!おいしいよ!」 「もっとちょうだい!もっと!」 「こんなんじゃたりないよ!もっともっと!」 「おねがいおにーさん!」 ただのパンくずを美味しいだなんて、どんな貧しい食生活だったんだ? すこしほろりと来た。 「まぁ、待て。すぐに魚を用意するから」 「さかな?さかなってなに?」 「うめぇもんだ」 「うめぇもん!ゆっくりしたい!」 二度ほど手を打ってからパンくずを投げ入れると、見えてくる魚影。 紅と白に染められた鯉だ。 ばしゃばしゃと音をたてて餌をむさぼっている。 我先にと争っているようにしか見えない。 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりすればいいのに!」 「どおしてゆっくりしないのぉっ!!!」 里で鯉を育ててる人間がたまにこの湖に放しているのか、浅瀬で生活している鯉がことのほか多い。 最初は三匹ほどだったものが続々と集まっている。 よく見ると浮上してくる多くの魚影がわかるだろう。 どんなのが集まってきたかを腰を下ろしてじっくりと見据える。 紅白に五色、浅黄や九紋竜が多いかな。山吹黄金が異様な美しさで浮かんできた。 おっ、銀松葉なんて全身深紅の綺麗なのもいるじゃないか。ひょっとして紅魔館でも育ててたりするのか? さまざまな鯉に目を奪われていると小さな一匹が無用心にも近づいてくる。 つぶらなおめめをぱっちりあけて、興奮しているのか顔がやや赤い。 「これがおさかな?」 「そうだ。うまいぞ」 「ゆっ!たべたいよ!たべさせて!!」 「自分の餌は自分でとってこいよ」 ぴんと指で弾いて、そいつをいまだ喧騒冷めやらぬ湖面へと投じた。 「ゆ?」 何をされたのか理解してない表情。 惚けていると言うか、呆気にとられているというか、とにかくそんな間の抜けた顔だ。 たまらない。 ぽちゃりと音がした。悲鳴は聞こえない。 あの体格だ。鯉に噛まれて即座に絶命したとしても不思議ではない。 「ゆぅうぅぅぅうううぅうっぅぅぅぅっっ!!!」 「れーむのごどもがーーーーーっ!!!」 「ひどいよぉぉぉおぉっぉおおおおお!!」 「そんなことより、あのちびがどうなったか見たほうがいいんじゃないか?おかーさん」 そういわれて慌てて桟橋の端に寄って、湖面を見下ろす親子。 しかし数多の鯉による乱舞でちびの姿は見えやしない。 「ゆ?いないよ!」 「たすかったのかな?」 「ゆっくりにげられたんだね!」 なぜか前向きに考える饅頭。 「馬鹿か。食われたに決まってんだろ、こんな風によ」 「いゆ゛っ!」 背中をちょいとつつくだけでこぼれるように落ちた小ゆっくり霊夢。 「れいむーーーー!」 「れいむのいもーとがおちちゃった!」 ばしゃばしゃとその小ゆっくり霊夢にむらがる鯉鯉鯉。 鯉は何でも食う。 水草はもちろんのこと、貝や虫、さらには甲殻類まで食うという。 そんな鯉に、ただの饅頭と同じつくりをしているゆっくりが抵抗できるわけもなく、徐々に食いちぎられていく。 発情したゆっくりアリスなど比較にならないほどの怒涛の攻勢。近づいては噛み、近づいては噛んでいく。 皮はふやける間もなく次々とついばまれ、ぼろぼろと欠けていき、餡子は露出したかと思うともう鯉の中だ。 「だじげてっ!おがあぁぁさぁんっ!だじげてぶっ!ここはやだよ!ゆっぐりできないぃぃいぃぃ!!!あびゅいっ!」 「うわぁぁぁっやめて!たべないで!れ゛い゛む゛のごども゛だべないでぇぇえぇぇぇぇぇっっ!!」 「いやだよっ!やめてよ!れいむのいもーとなんだよっ!どうしてたべちゃうのぉぉおお!」 凄い表情で涙や鼻水を垂れ流しながら口角泡を飛ばす残った二匹。 「なぁ、なんで助けに行かないんだ?」 「ゆっ!おにーさんがやったんだからおにーさんがたすけてよ!」 「親は子を助けるもんだろうに、この駄目親」 「ゆっ!れーむはだめなおやなんかじゃないよっ!いいおやだよ!!ゆっくりあやまってね!ついでにこどもをたすけてねっ!」 「おがーーざんっ!おがーざんっ!」 「ああ、それは無理だ。もう食われちまって死んでる」 視線の先にはボロクズになった皮と餡子らしきものが浮かんでいた。 しかもその遺品も鯉にぱくぱくと食われてしまっている。健啖だね。 「ゆっびゅぅぅううんっ!!!う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 「お゛に゛ぃざん゛っ、な゛ん゛でれ゛い゛む゛だぢに゛ごん゛な゛びどい゛ごどずるのぉ!!!」 「面白いからに決まってんだろ、この馬鹿饅頭どもめ」 「お゛も゛じろ゛ぐな゛い゛っ!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛じ、わ゛ら゛え゛な゛い゛よ゛ぅっ!!」 「れ゛い゛む゛の゛ごどもがびどり゛に゛な゛っぢゃっだの゛ぉおぉぉおおぉっ!」 「俺は笑えるんだって、今のお前らの顔が最高に最低で笑っちゃうぜ、ぷっ馬鹿丸出しっははははははは」 「う゛わ゛ぁぁあ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁん!!」 「それにお前の子供を一匹だけ残すわけないだろ、ほれ、親なんだから今度はさっさと助けに行けよな」 「や゛べでっ!お゛ね゛がい゛じまずっ!!や゛め゛でぐだぢい゛っだずげでぐだざい゛っ!!!」 「死にたくない?」 「じに゛だぐな゛い゛でずっ!!」 「饅頭でも死にたくないとかあるんだ。偉そうでむかつく。自分は生き物ですよ~みたいなこと言うなよ気持ち悪い」 「ぅゆ゛っ!!」 「い゛や゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっっ!!!」 ぴんと弾いて投下。 何匹かは餌をせっつく雛鳥のように口をぱくぱくと開けて待ち構えているようにも見える。 しかし落ち行くゆっくり霊夢からは、地獄で手招きしている死者の群れにしか見えないだろう。 捕まれば死あるのみ。しかもゆっくりには逃げる術は無い。 ばしゃばしゃという音がいっそう強くなった。 まるで自分の身が引きちぎられたかのような悲痛な叫びをあげる母。 いいね、うん、いいよ。 「ほら、助けに行けよ。あいつはそれなりに大きいし、今なら助かるぜ。絶対だ。なんなら手伝ってもいい」 「お゛がぁあ゛ぁあ゛あ゛ぢゃぁぁあ゛ぁあ゛あ゛んっ!だずげでえ゛ぇえ゛え゛え゛ぇえ゛ぇぇぇっ!!!」 体を揺らすと言う、抵抗にもなっていない無駄な行動をやめずに橋を見上げ、母に助けを求める。 その愛娘の声にびくんっと震える母。いまだ涙を流しているが、その顔にはやや決意めいたものが見えた。 「ゆ゛っ!まっ゛ででねっ!いま、だずける゛よ!!!」 飛んだ。下には鯉が暴れまわっているので、それが受け止める形になって水に落ちはしなかった。 そのまま噛み跡も痛々しい子ゆっくり霊夢を舌でうまく捕まえ、口のなかに保護すると、集まってくる鯉の上を上手く跳ねてこちらに近づいてくる。 なかなかの跳躍。これが経験を積んだ生き物の成せる業か。 「ほにぃいさんっ!はやふたふへへねっ!!ここはゆっぷりでひないよっ!」 ひとところにじっとしていないで、鯉の頭上をせわしなく飛び跳ねながら叫ぶ。 舌の上に置いている子を刺激しないためか舌足らずな喋り方になっている。 そのまなざしは熱く燃えているようだ。 なかなかやるじゃないか。ふふっ。 「お前、ゆっくりのくせに恰好良いぞ。やるなぁおかあさん」 「ひひからっ!ゆっふりひへはいへ、はふへへっ!!」 「あ~助けたいのはやまやまだけどちょっと急用が入ってね。お隣のおきぬちゃんが、妖怪枕返しに枕を返されたらしい。一大事なんだ。じゃ」 「ゆ゛っ!?」 言い残して走り去る。ざんざんざんとわずかに揺れる桟橋。 「まままっまっでぇえええええっ!!おいでがないでぇえぇぇぇっ!!はふへへ!はふへてほぅっ!!!てふだうっでいっだのにぃいいぃいっ」 絶望に染まる母ゆっくり霊夢の顔。 さらに襲い掛かる鯉。まるで獲物を返せと抗議しているようだ。いや、実際にそうだったに違いない。 「い゛い゛だい゛っ!ばめ゛べっ!!ぶぇっ!!」 衝撃でせっかくとりもどした子供を吐き出してしまう。 ぽちゃんと水音がするかしないかのうちにばしゃばしゃと祭りのような騒ぎになる。 やがてその小さな餌からもあぶれた鯉が大物のほうへ寄ってくる。 「ゆっ!やめてねっ!!こっちこっちこないでねぇっ!!やべぇっ!」 「だめだよっ!こっちはあぶないよっ!!そこでゆっくりしててね!いやだっていってるのに!」 「どおしてこっぢぐるのぉっほぉぉおおおぉぉんっっ!」 背後にそんな悲鳴を聞いた気がしたけど、歩みを止めることはしない。 あんなふうに餌をやってれば、そのうち龍になる鯉とか出てこないかなぁ。 終わり。 鯉の種類はwikiより。 なんとなく幻想郷には、人間の生活に根ざしている妖怪はいない感じがあります。 垢嘗めとか家鳴りとか。 著:Hey!胡乱
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/414.html
※元ネタあり。植物的なゆっくりの絵を見て衝動的に書いてみた。 このー木なんの木 気になる木 みんながあつまる 木ですから みんながあつまる 実がなるでしょう 『日立の樹』歌詞より引用 ある森の中に、妙に短く太い木がそびえ立っている。 子供達が肩車をすれば枝に届く程度のそれは、しかし他の木に比べるとどこか独特の存 在感がある。 周りには黒ずんだ丸い何かの跡が、地面に点々と存在している。それが餡子だと気づい た者達は、揃って視線を木へ向ける。 そこで幹に描かれた顔に、初めて気づく者も多い。 青々とした葉の隙間からは、枝に実をつけたゆっくり達の顔がちらほら見える。 その木の名はゆっくりの木と言った。 「ゆっくり~していってねぇ~」 野太くゆったりとした声が森に響き渡る。幹の顔から発せられた声だ。 『ゆっくりしていっちぇね!』 その声と揃えるように、実のゆっくり達の大合唱が響き渡った。 普通の木と違い、ゆっくり達の体から芽が出、徐々に木質化して饅頭から樹木と成長す るゆっくりの木は元々の生態から言葉を理解し、喋る事が出来た。 そのため、こうして育ちきった今でも、周りの木々をゆっくりさせようと声をかけ続け ている。 自分の出した声に満足すると、ゆっくりの木は静かに口を閉じ、目をつぶって嬉しそう に日を浴びる。 『ゆっくりしていっちぇね!』 もうじき成熟し、枝から落ちる寸前の実達の合唱も、木の心に安らぎを与えた。 うとうとと、気持ちよさげに木が眠っていた頃。 草をかき分け、こちらに近づいてくる気配があった。 「……ゆっ?」 草をかき分けてくる音に目を覚ますと、木はそのまま音の方へ視線を向けてみる。 動かない体で視野は狭いものの、どうにか見えた先には、近づいてくる人間達の姿があ った。 「ゆーっくりー」 伸びやかな声で挨拶をする。 ゆっくりの木に人間達が訪れる事は珍しくない。人里が近いからか、特に子供達は頻繁 にやって来ては、頑丈な木の幹を蹴り飛ばし、実を落としては持って帰っている。 自分の実が可愛がられるのはいいことだ。 ほとんどの場合、実を拾う子供達をゆっくりの木は笑顔を浮かべて見守っていた。 しかし今日来たのは子供達ではなく大人達だ。 また自分の身の元気な様子を見に来てくれたのかなと、木は笑顔を絶やさずに出迎えて いた。 「この木か」 「ああ、周りに餡子落ちてるからわかりやすいな」 「よし、それじゃ始めるぞ」 男は袖を捲り、太い腕を露出させる。 手には、大きな斧を持っていた。 「あらよっと!」 「ゆーーー……ぐっ!?」 木の幹が揺れ、突如走った痛みに、ゆったりとしていた木が唸り声を上げた。 幹の根元には、斧の刺さった跡が大きく描かれている。 「いだいよぉおおぉおぉ~、どうじでごんなごとずるのぉおおぉおぉ~!」 「活きがいいですね、こいつ」 「マサ、どんどん悲鳴を上げさせてやれ」 「もちろん!」 斧を刺し、木を倒す方向を決めたマサは改めて斧を構える。 勢いよく何度も、幹に斧が刺さっていった。 「それそれそれそれっ!」 「あぎゃっ! きゅげっ! やめでぇええぇえええっ!! れいむのからだごわれぢゃう ゛ぅう゛ぅう゛ぅっ!!」 「ああ。こいつ、れいむ種だったんですね」 「道理で。断面が餡子臭いと思った」 やがて、幹の半分以上に亀裂が入り。 マサの合図で、木に男達が集まっていった。 「あ……あぁ……」 「それじゃ行くぞ、せーの!」 「おいせっと!!」 男達の鍛え上げられた肉体が、木の幹を突き押していく。 破滅の音を立て、ゆっくりの木が傾いていく。 『ゆっくりしでいっちぇね!』 「いやぁぁあぁあぁあぁっ!!」 状況を理解できていない実達と声を揃えながら。 大きな震動と共に、ゆっくりの木は地面に横たわった。 「れいむの……でいぶのからだがぁあぁあぁあああぁっ!!」 泣き叫ぶ木の声に揃って上がる声はない。 枝に成った実達は地面と衝突し破裂、または太い枝が突き刺さり、成熟に関係なく命を 落としていった。 生き残っている実はせいぜい数匹程度だろう。 「どうじでごんなごとずるのぉおおぉおぉっ!!」 木の絶叫に、しかし男達は揃って不思議そうな顔を浮かべていた。 「そりゃ……お前が煩いからに決まってるだろう」 「ゆっ!?」 「毎夜毎夜、ゆっくりゆっくり絶叫されたらなぁ……」 「俺たちは頼まれて伐採しに来たんだよ。あの木を切り落としてくださいってな」 「そ、そんにゃぁ……」 木は確かに夜通しでゆっくりを呼びかけていた。 しかしそれはみんなをゆっくりさせようと思ってだ、決して迷惑なんてならなかった筈 だ。 れいむの好意が邪魔になるわけがない! 木はそう結論づけた。 「うぞずがないでね! でいぶばうるざぐなんでない゛よっ!!」 「だから煩いって言ってるだろがっ!!」 「うぶっ!?」 一閃。 マサの斧が木の顔辺りを縦に叩き割り、口が真っ二つに別れた。 目から樹液を流し、抗議しようとしているが、割れた口からは何も聞こえてこない。 「それで、こいつどうするんですか?」 「どうするかねぇ……木材にするには脆すぎるし、加工所も独自で栽培してるって話だか らな……」 「いっそ、切り落とした祝いに村で燃やしますか?」 「お、いいなそれ! 盛大に燃やそうや!」 ゆっくりな丸太の処分について、男達が話し合っていく。 恐ろしい言葉の連続に、ゆっくりの木はただただ樹液を流し続ける。 涙のようなそれは拭き取られる事なく、ただ昆虫が美味しそうに舐めていくだけだった。 End 実も交えて色々しようかと思ったけど、長くなるし、やはりシンプルに。 ゆっくりの木とか聞いたら伐採しないといけないと思った。あまり反省はしていない。 むしろ近所にも生えて欲しい。蹴りにいくから。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/181.html
「ゆっくりメダル」 [参考:ゆっくり虐待スレ3 341] ゲームセンターによくある、メダルをタイミングよく投入すると迫り出す板によって端のメダルが 押し出されて落ちるやつ。ありますよね。 あれをゆっくり達でやってみようと思います。 メダルと違って、ゆっくりを投入するタイミングはあまり問題になりません。 適当なタイミングで投入すると、投入されたゆっくりは板の上を埋め尽くすゆっくりたちの上に転 がり落ちる。そして、板が移動して隙間ができたところで、自ら転がってその隙間に落ちていきます。 つまり、メダルだとタイミングよく投入しないと隙間にメダルを落とせないのに、ゆっくりの場合 は勝手に移動してくれるわけですね。 「ゆっくりー!れいむもここでゆっくりするよ!!」 さて、もともとスペースにゆとりがなかったところに、一匹ゆっくりが増えたわけですから… 次に板が迫り出したとき、最低一匹のゆっくりが落ちることになります。 「落ちたくないよ!!ゆっくりできないよ!!」 「れいむは落ちないよ!!まりさが落ちればいいよ!!」 「ゆっくり落ちていってね!!」 端のゆっくりたちが押し合います。どうやら落ちたくないようです。 当然のことです。落ちてしまったら、もう“ゆっくりできない”のですから。 落ちた先で待ち受けるのは、ふたが開いた透明な箱。 大きさは、ちょうどゆっくり一匹分… みんな、そこに落ちたらどうなるか知っているのです。 周囲は電流が流れる鉄板で囲まれているので、逃げ場はありません。 板が迫り出して、どんどんスペースが狭くなっていきます。 それに従って、ゆっくりたちの争いも激化します。 「ゆっくりしたいよ!ここでゆっくりざぜでえ゛え゛!!!」 「ここでゆっくりするのはまりさだよ!!れいむはゆっくり落ちていってね!!」 そんな醜い争いの中、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの2匹が落とされました。 急な斜面を、2匹は必死に登ろうとします。 お互いを蹴落としながら、生まれながらの粘着力で何とか上に戻ろうと… でもぎりぎり登れない角度に設計されているので、結局2匹は箱の中に落ちていきます。 箱の大きさは、さっきも説明したとおり一匹分です。 しかし、2匹は無理やり箱に押し込められ、ふたが閉じられてしまいました。 「ぐるじい゛い゛い゛い゛い゛!!ごごがらだじでえ゛え゛え゛!!」 「ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 箱の中でも居場所をめぐって押し合う2匹。この期に及んでまだゆっくりしたいようです。 通常の半分に圧縮されたゆっくり2匹は、ベルトコンベアで運ばれていきます。 そしてほかのゆっくりたちによく見える位置に移動すると… 「びゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!!やめ゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「どおじてぞんなごどずるの゛お゛お゛お゛!!??」 「しんじゃう!!しんじゃうよぼお゛あ゛お゛お゛お゛!!!」 箱の容積はどんどん小さくなり、中のゆっくりが押しつぶされていきます。 「れいむがゆっくりできないよ!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛!!ゆ゛っくり゛してよお゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛にいさん!!ゆ゛っくり゛してない゛でたすけてあげてえ゛え゛え゛!!」 見ているゆっくりたちがわめきます。 さっきまで醜い争いを繰り広げていたゆっくりたち。 あの2匹が落ちた原因が自分達であることも忘れて、2匹を助けるよう懇願します。 箱の圧力が高くなっていくと、ゆっくりの皮が破れて中の餡子が丸見えになってしまいます。 行き場の無くなった餡子は、下の穴から漏れ出していき… 「あ………ばっ……ゆ゛っ……っぐり…!」 「ゆ゛っ……ゆ゛ゆ゛っ……ゆ゛ーーーーあぼろっれべげばへおばおあえrkごえ!!!」 目から口から裂け目から、至るとこから餡子を出して、苦しみと絶望の中でゆっくりは息絶えます。 それを見ていたほかのゆっくりたちも、次は自分がこうなるかもしれないという恐怖の中、 ゆっくりできる場所を求めて争い続けるのです。 あ、ちなみに2匹のゆっくりを落としたので、2匹の別のゆっくりが排出口から戻ってきます。 この2匹には、ガラスの向こうにいるたくさんのゆっくりがどんな目にあっているのか、わかっていないようです。 「ゆっくりしていってね!!みんなもゆっくりしていってね!!」 「みんな楽しそう!!れいむもあそこでゆっくりさせてね!!」 プレイに飽きたら、持ち帰って虐待するもよし、食すもよし、加工場に売るもよし。 楽しみ方は無限大!! 「ゆっくりメダル」でたくさんゆっくりしていってね!!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1253.html
ゆっくり伝 その男の姿は、奇妙に森に溶け込んでいた。 着ているものや肌の色を木々に紛れるようにしている、というわけではない。 身に纏う空気といおうか、そのようなものが森と調和しているようであった。 風雨に打たれて育った樫のような、荒々しくもどこか落ち着いた雰囲気の男であった。 そのような男であったから、この生物も無警戒に近寄っていったのかもしれなかった。 体高30cm。 自慢げな表情を浮かべている。 髪形や身に付けているものは何処となく博霊の巫女に似ている。 ゆっくり霊夢であった。 「ゆっくりしていってね!」 男の前にその不思議な生物はたたずんでいた。 豊かな山林である。 人に出会うことは少ないが、動物ならば珍しくもない。 時として妖怪が出るらしいと、そう噂されているのを聞いたこともある。 しかし今現れたこれは、動物とも妖怪とも言い切れない、なにやら不思議な雰囲気を漂わせていた。 男が、ぎろりとゆっくりを見た。 ――なんだ、こいつは。 そう言いたげであった。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!」 ゆっくりがもう一度言った。 その表情は天真爛漫であった。 自分に危害を加えるものがあるなどとは考えたことがないかのようであった。 むずりと、男が左手でゆっくりを掴んだ。 軽々と顔の高さにまで持ち上げる。 「ゆゆっ!たかい!たかいよ!ゆっくりおろしてね!」 ゆっくりが少し慌てたような声を上げた。 その純真そうな瞳を見ていると、男の肉の裡に、凶暴なものが膨れ上がってきた。 きりきりと、男の唇が獰猛な形に吊り上がる。 たまらなかった。 ゆっくりというものには、妙に嗜虐心をそそるところがある。 外見は可愛らしく、人間に危害を加えるようなこともない。 それでいて、何故か虐めずにはいられないのであった。 「口を、大きく開けてくれないか――」 男がかすれた声を吐き出した。 「あーーん」 ゆっくりが、言われた通りに大きく口を開いた。 その瞬間であった。 「じゃっ」 男が鋭い呼気を吐いた。 男のごつい右手がゆっくりの口に深々と埋まっていた。 ゆっくりの口の中に、無造作に右手を突き入れたのである。 「ゆあっ!?」 ゆっくりが驚愕の叫び声を上げた。 口の中でうごめいていた男の右手が、ゆっくりの舌を掴んだ。 びくりと、ゆっくりの肉体が震えた。 「これから、俺がどうすると思う」 刃物をなで上げるように、男が囁いた。 「ゆぁ!ゆっ、ゆあぁぁあぁぁ!」 ゆっくりが叫び声で答えた。 目が恐怖に見開かれている。 男は、楽しくてたまらないといった表情を浮かべた。 「このよく動く舌をひきちぎってやるよ」 ゆっくりの顔が一気に青ざめた。 「ゆゆっ!?やえへ、ゆっふりやえへえ!!」 男の唇が喜悦の表情を浮かべた。 両腕に力がこもる。 「ふんっ」 ぶちり、 と、いう嫌な音が小さく響いた。 舌のちぎれる音であった。 男が、右手でゆっくりの舌を、根元から引き抜いたのである。 「ゆ~~~~~~っ!」 一拍おいて、ゆっくりの口から悲鳴が上がった。 耐え難い苦痛に、小さな身体が激しくのたうつ。 男が、右手を引き抜いた。 ちぎられた舌と、舌のかつてあった場所から、餡子が吹き出していた。 男が右手を開くと、分厚い舌がぼとりと地面に落ちた。 まだ痙攣しているそれに向かって、無造作に踵を打ち下ろした。 柔らかいものを踏み潰した感触と共に、靴の下から餡子が勢いよく迸り出た。 ぞくり、と男の背筋を震えが疾り抜けた。 嗜虐者の悦びであった。 拷問官の悦びであった。 ゆっくりの悲鳴は、途切れることなく続いていた。 苦痛の涙を湛えた瞳が、男に向けられた。 救いを求めているような瞳であった。 ぞくり、と先程よりも一層太い震えが男を貫いた。 黒い感情が、肉体を押し破って吹き出しそうになる。 男は震えをこらえて、左手の親指をゆっくりの下顎に、右手の親指を上顎にかけた。 何をされるか悟ったのか、ゆっくりが男の手の中で抵抗するように動いた。 男の唇がめくれ上がり、噛み締めた歯が覗いた。 「むんっ」 男が指に力を込めた。 ゆっくりも口に力を込めたが、男の力に適うわけもない。 大きな口が、たちまち限界まで上下に開かれた。 「ああぁぁぁぁぁ!」 ゆっくりが狂ったように声を上げる。 何とかして男の手から逃れようと、必死に身を捩ろうとする。 構わずに男は力を強めた。 鍛え抜かれた腕に、太い筋肉が浮かび上がった。 みちっ。 みちっ。 音がした。 ゆっくりの頬が、力任せに引き裂かれていく音だ。 無惨に開いた頬から、凄まじい悲鳴が漏れ出してくる。 男は笑みを浮かべた。 鬼の笑みであった。 ことさらゆっくりと、頬の裂ける感触を楽しむように、口を押し開いた。 「あいぃぃぃぃぃぃ!」 ゆっくりは獣のような声を上げていた。 やがて口が頭の半周程度まで裂けてしまうと、あれだけ大きかった悲鳴が小さくなってきた。 ゆっくりの瞳は既に虚ろになっている。 男の表情から、喜びの色が退いていった。 「おうっ」 男が両の親指にありったけの力を込めた。 ぶつり、と不気味な音がした。 ゆっくりが上下に真っ二つになっていた。 大きな瞳が、怨むようにこちらを見据えている。 ふと、男はその頭を齧ってみた。 思わず眉をしかめた。 たまらぬ甘さであった。 決して不味いわけではないが、とても全て食べようという気にはならない。 巨大な饅頭――どうやらこれはそのようなものらしかった。 男は二つの欠片を宙に放り投げた。 それを追うように、ふわりと男の右脚が浮き上がった。 「けえっ」 欠片が空中で重なった瞬間、回し蹴り気味の軌道を描いた脛が、そこに吸い込まれていった。 スピード、タイミング、パワー、どれをとっても申し分のない、会心の一撃であった。 小気味よい音と感触を残して、ゆっくりだったものは木々の間へと消えていった。 男は自分に言い聞かせるように呟いた。 「すっきり――」 いつの間にか、男の口元には再び笑みが浮かんでいた。 沈丁花の香る、春の夕暮れであった。 あとがき 遂にゆっくりの話を書いてしまった。 もしこの作品を読んで、中々やるじゃねえか、と思っていただけたとしたら、 これはもう獏文体好きの冥利に尽きるというものである。 あと一本か二本か、それはわからないが、とにかくネタが尽きるまではこいつを書いてゆくつもりである。 どうか、しばらくお付き合いのほどを。 平成二十年九月二十二日 小田原にて ゆっくり枕獏 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2437.html
ゆっくり屋敷でゆっくりしていってね! 永遠に! まあ聞くがよいゆっくりどもよ。おまえたちのためになる話じゃて。 おまえたちは人のものを勝手に盗んだり、人の家に勝手に入り込んで荒らしたりととんだたわけどもじゃ。 それらも勘弁しがたいことじゃが、おまえたちは仲間にもむごいことをしおる。 飾がないだの亜種だの畸形だのと馬鹿にしては責め殺してしまうではないか。挙句の果てには同属をも喰らうときている。 よいか、そういうゆっくりには必ずバチが当たるのじゃぞ。神さまはどこにでもおらっしゃる。そして見てらっしゃるのじゃ。 さて、おぬしら外道に当たるバチのひとつについて教えてやろうかの。 あるところに、“ゆっくり屋敷”という屋敷があるそうな。 盗みなどの悪たれを働いた帰りに、ゆっくりは深い霧に遭う。どんなに天気が良くとも、いつの間にか霧に巻かれるのじゃ。 霧の中を闇雲に歩いていると遠くに灯りが見えてくるのだという。おぬしらは愚かゆえにそれを救いの灯だと疑いもせずに駆けていくことじゃろうよ。 灯りに近づいていくと、大きな屋敷が霧のなかからぼうっと浮かび上がってくるという。 屋敷からはかすかにゆっくりゆっくりと楽しげな声が聞こえてくる。 その声に誘われて屋敷の玄関にまでたどり着くと、扉になにか書かれているのがわかるじゃろう。 その文は「どんなゆっくりでも遠慮せずにゆっくりしていってね! おいしい食べ物や楽しい遊びでゆっくり歓迎するよ!」と読める。 おぬしらは一休みさせてもらおうと入るかもしれん。横着にもここを自分の家にしようと思うかもしれん。 まあどのみち屋敷に入るしかあるまい。例えきびすを返して去ろうとも、再び霧の中から屋敷が現れる。もはや逃れられんのじゃ。 屋敷に入り通路を進んでいくと大広間に突き当たる。そこには多種多様おびただしい数のゆっくりたちがゆっくりしておる。 大広間は豪華に飾られており、最上のクッションと椅子、いかにも楽しげな玩具があり、大テーブルの上にはありとあらゆる珍味佳肴が山のように盛られておる。 ゆっくりたちはそこで、食えや飲めや遊べやゆっくりすっきりと、ゆっくりの尽きぬこの世の楽園のように見える。 だがしかし、それはすべて見せかけにすぎぬ! 食物はすべて腐っていて酷い味がし、よくよく見ればすべてゆっくりを調理したものではないか! だが一口でも食せば、果て無き飢えがおぬしらを襲い、喰い続けるしかないのじゃ。喰いすぎで皮が爆ぜ、食べ物が漏れ出してもな。 クッションや椅子は体を乗せたが最後! 鉄線と鉤爪が飛び出し愚かなゆっくりを苦痛と共に拘束し、二度と逃れることはできぬ。 玩具もそうじゃ。これらにはすべて罠が仕掛けられており、触れれば拘束され、恐ろしい拷問を永遠に受け続けることになる。 いたるところですっきりしているゆっくりたちは、おぬしらの眼から見れば微笑ましいものなのじゃろうが、よく見てみればおかしいことに気がつくじゃろう。 終わりがないのじゃ! 延々と延々とすっきりし続けておる。餡を使い果たしミイラのように干からびてもすっきりは終わらせられん。 絶え間なく子が生れ落ちるがそれらはすべておぞましい畸形じゃ。畸形どもは呪われた誕生を祝して跳ね回り親を囃し立てる。 何かに触る前にこの屋敷の本性に気がつけた、多少は賢しいゆっくりも、もはやその運命は窮まっておる。 屋敷から出ようとして、大広間に無数にある扉のどれをくぐっても、待っているのは複雑極まりない迷路じゃ。 その迷路を延々と彷徨った挙句、迷路を徘徊する恐ろしい何物かに食われるか、大広間に逆戻りするかのどちらかじゃ。 そしてこの屋敷の真の恐怖は、ここでは誰も死ぬことができぬということじゃ! そこかしこに腐り果てたゆっくり、引き裂かれたゆっくりを見出すじゃろうが、それらはすべて生きておる。どんな目にあっても死ねぬのじゃ。 また、ここに入ったすべてのゆっくりはゆっくりすっきりむしゃむしゃしあわせせなど、ゆっくりにとって肯定的な言葉しか喋れぬようになる。いかにも楽しげな声でな。 だがその顔は苦痛と恐怖と絶望でひきつっておるのじゃ。 この屋敷を誰が建てたかはわかってはおらぬ。おそらくは妖怪の仕業じゃろうか。もっと恐ろしいものやもしれん。 ゆっくりの身勝手で欲深な性向を嫌う何者かがその生き様を皮肉ってやるために建てたことは間違いあるまいて。 どうじゃ恐ろしいじゃろう? 恐ろしいと思ったのなら今回だけは許してやろう。もう盗みなどしてはいかんぞ! さあ帰った帰った! 「ひどいもうそうだったね!」 「ばかなじじいだったね!」 「かんぜんにだまされていたよね!」 「ちょろいもんだよね!」 「ちーっともこわくなんかないよ!」 「あんなのほんとうなわけないも~ん!」 「かみさまはゆっくりのみかただよ!ゆっくりがいちばんえらいんだよ!」 「ゆっくりのゆっくりをじゃまするにんげんのほうにバチがあたるにきまってるよ!」 「ゆ!なんだがきりがでてきたよ!」 「そういうきせつだからだよ!しぜんげんしょうだよ!」 「はやくゆっくりプレイスにかえろう!」 「ゆ!なんだろうあのあかり……」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/493.html
「よし、理解した」 俺は虐待お兄さん、その中でも特に調査と分析を重んじるとても知的なお兄さんだ。 ここ数年、沢山のゆっくりどもを毎日毎日ブチ殺してきて理解した事がある。 あいつらが悪意を表にするのは集団のときだけで、一匹で居るときはさほど酷い事をやらないのだ。 ゆっくりによるゆっくりいじめもそう。集団での村への攻撃もそう。やつらは群れると悪意が濃くなっていく。 一匹だけだとせいぜい素の傲慢さで態度が大きい程度で、畑荒らしすら怯えて行わないのだ。 人間の家に侵入する割合もかなり低くなる。人に見つかっても逃げようとする固体が大半だ。 その事に気付いたからには調査開始だ。まず森でゆっくりれいむの家族を発見、捕獲する事にした。 かなりの数が居るな・・・ついさっき出産したばかりの母親と父親、お姉さん8匹に妹12匹、赤ちゃん20匹ってとこか。 「ゆっ!おにいさんゆっくりできるひと?」 「ごめん、今急いでるんだ」ポイッ 「何するのおおおお!!れいむの赤ちゃ」ポイッ 「ゆっくりできないお兄さんはゆっくりし」ポイッ ゆっくりどもを適当にあしらいつつ、背中の籠に放り込んでいく。 この籠はこの時の為に俺が自作した特性のゆっくり籠だ。 入り口には返しがついてるから入るときはスムーズなのに出すのは外部からバラさないと出られないんだ。 我ながらなんという便利な籠。文明の利器には感謝するべきだと常々思う。 「ゆ゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!ぢゅぶれ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 唯一欠点を挙げるとすると、構造の欠陥から大量に入れると内圧で大変な事になるらしい。 まぁ、そんなのゆっくりハントじゃまったく無意味だから気にしないけどね。なんでもかんでも悪いところを探して叩くのは不毛だ。 とりあえず巣に居るゆっくりどもを全部捕まえると、俺は家の実験室に帰る事にした。 俺の家まではここからだと10kmくらいか。岩場も多いけど気をつけて走って帰るとしよう。 「「「「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」」」 俺が跳ねる度に声がする。まぁ、いい熊避けになるだろう。 やっべ虐待お兄さんの血が騒ぐ!スキップとかもしちゃうぞーw 「「「「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛め゛え゛え゛え゛え゛え゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」」」」 「ははは、ゆかいだ。はははははは!!!!!」 俺はゆっくり達の悲鳴をBGMにくるくると踊り跳ねながら5時間くらいかけて家に帰った。楽しいんだからちょっとくらい遊んでもいいよね。 年甲斐もなくはしゃいだので明日は確実に筋肉痛だろう。やれやれ。 「「「「ゆ……ゆっぐり…ざぜでぇ……」」」」 「ほら、お前らでておいでー」 蓋を外した籠をひっくり返して床に立てる。ここからがコツが居るんだ。 籠の底にある一本のピンを倒すと、底から空気が入って簡単に中身が出てくるらしいんだ。 ポキッ……シュー……べちょっ。 「「「「ゆぐうっ!」」」」 よし抜けた。あとは引っ張るだけだ。ここで垂直に持ち上げられないと中のゆっくりが崩れてしまう事がよくあるらしい。 ズズズ……ポンッ ぷるんっ 無事ゆっくりが取り出された。元々赤ちゃんから入れていったから上の方には餡子を吐きつつピクピクしてる赤ちゃんれいむ数匹が張り付いてる。 あ、ゆっくりの吐いた餡子が上から垂れてきた、これじゃまるでれみりゃの好物じゃないかw まぁ、捕獲するのが目的なので一回バラさないとな。しばらく養生すれば元に戻るだろう。ゆっくりだし。 そう思い、台所からスプーンを持ってきた。え?他になんかあるだろ? 他に使えそうな道具が無かったんだから仕方ない。バラすのに使える道具ならあるんだけど。 んじゃ、早速右端の赤ちゃんから外してやるか。 「「「「いだい!!ゆっぐりやめてね!!!」」」」 全てのれいむがいっせいに抗議の声を上げる。 ………あれ? もしやと思い、別のゆっくりの間にスプーンを入れていく。 他のゆっくりに負担がかからないように……そーっと…… 「「「「やめてっていってるでしょ!!おにいさんはひどいひとだね!!!!」」」」 結論:こいつら融合しちゃってるーーーー!!!!!! 少なくとも、感覚は共有してるらしい。どんなふうに融合しているのか気になるな…… 俺は桶に水を汲むと、こいつらにぶっ掛けた。 「「「「すっきりー!!」」」」 上にかかっていた餡子を流して気付いた事が有る。 1、表面上は完全に再生していた。赤ちゃんれいむもどうやら元気なようだ。 2、接着面は完全に結合してる。引っ張ると痛がるみたいだ。 3、この状態でも動く事は可能らしい。下になってるゆっくりがプルプル跳ねてた。 なんだこれ……… とりあえず次のステップに移りたいと思う。俺は赤ちゃんれいむを掴んで勢いよくひっぱった! ブチッ! 「「「「いだいよおにいざん!!やめでえええ!!」」」」 結構余裕あるな、こいつら。ところで外した赤ちゃんれいむは……… 「ゆゆ……ゆっくりちていってね!!」 うお!個別の意思を持った!?どうなってんだこれ!? とりあえず、手の中の赤れいむに現状を見せてみるか。何かわかるかもしれない。 「おーい、赤ちゃんれいむー」 「ゆゆ?おにいちゃんゆっくちできるしと?」 「これなーんだ」 そう言って手の中の赤れいむをゆっくりの集合体に向ける。 「ゆぐううう!!!れいむのばげものおおお!!!どっがいっでぇええええええ!!!!」 「「「「ゆゆっ!!ひどいよ!!あかちゃん、おかあさんれいむだよ!!!ゆっくりしてね!!!!」」」」 あー…………なるほどね。コアはおかあさんれいむか。 で、赤ちゃんはそう認識できないと。 しかし…これは俺の手にはおえんなぁ…… 「赤ちゃん、これはご飯だからゆっくり食べてね!!ほら、おいしいよ!!」 「わかった!!ゆっくりたべるよ!!むーしゃむーしゃ!!しあわせー!!」 「「「「どう゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」」」」 おー、食ってる食ってる。必死に逃げようとはしてるみたいだけど体の使い方がわからなくて抵抗できないみたいだな。 これなら当分は大丈夫だろう。 俺は研究所に鍵をかけて一週間ほど放置した。 一週間後に残ってた一匹のれいむはげんのうで叩いて上げた。 「ゆぴゅっ!!」 これが最後の言葉だった。 後に加工所の人に聞いたことだが、ゆっくり同士の癒着事故は稀によくあるらしく、 その中でも出産間近~子供を産んだばかりの頃のお母さんれいむが居ると意識が全員統合されるらしい。 出産前の段階で子供が暴れないように体がそういう処理をしているらしいが、まだメカニズムはよくわかっていないようだ。 今回の件で俺が理解した事が一つだけある。 「ゆっくりは一匹でも親族を食い殺す害悪だ!!俺は間違っていた!!」 より真理に近づいた俺は虐待お兄さん、その中でも特に調査と分析を重んじるとても知的なお兄さんだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドスまりさへの復讐(中篇)書くはずが気がついたらこんなのになってたよ!! しかも元々は21スレ890番の証明をするはずだったのに………なんだこれ。 ゆっくり現実逃避した結果がこれだよ!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/713.html
夕日の中を木枯らしが吹き抜け枯葉を巻き上げる。 晩秋から初冬への境 豊饒の季節はもうすぐ終わりを告げる。 この季節はゆっくりたちがもっともゆっくりできない、否ゆっくりしてはいけない季節である。 なぜなら冬篭りの準備をしなければならないから。 皆準備の為に跳ね回り食料と資材を集める。 今年生まれた子供たちも母親と同じ仕事が出来るほどに成長し 姉妹達を率いて下草を集めたり、木の実を埋めたりと忙しい。 食料を集め、下草を敷き、入り口を塞ぐ頃には冬が来る。 「まつんだど~」「みゃ~て~」 「ゆ!ゆ!ゆうぅぅぅぅぅ…」 日に日に三日月に近づく月の下 ご多分に漏れず冬篭りの準備に急ぐのは体つきのれみりゃの親子 ただし彼らの準備は食料集めではない。 食いだめである。 冬の間に外に出るゆっくりは少ない。 必然的にれみりゃの餌も少なくなる。いくら狩りに出ても十分な食料は得られない。 したがってれみりゃ種は冬眠するゆっくりとなった。 冬の訪れまでに出来るだけ沢山の栄養分を蓄え、後は眠るのだ。 春先と盛夏に生まれた二匹の子供たちも狩りの仕方を覚え、多くのゆっくりを狩った。 体は指先まで丸々と太り、パンパンに張った血色の良い肌は白桃色に輝いている。 「やったどぉ~ごはんだどぉ~」 捕まえたゆっくりを抱えて巣に戻るれみりゃ親子 少々飛行するのに支障が出ているらしく がさがさと木の枝に体を擦っているが、この程度でなければ冬は越せない。 今回の冬眠場所は大きな木の下に掘った穴の中 入り口は残雪の心配の少ないよう東向き しっかりと下草を敷いたので寝心地は抜群 春まで快適に過ごせるだろう。 「お~いし~どぉ~」「う~」「さいごのでなーだどぉ~」 れみりゃ親子は今年最後の食事となるゆっくりありすを食べていた。 このありすは少々ゆっくりしすぎたの。 この季節の夜に外を出歩いていたのだから。 寒さに強くないゆっくりは晩秋の夜にはけして出歩かない。 夜はれみりゃの時間だからだ。 おそらくこのゆっくりしすぎたありすは 皆が巣を塞ぎ始めるのを見てあわてて冬篭りの準備を始めたのだろう。 食料になるものは殆どとり尽くされた森の中を彷徨い 冷たい秋風に吹かれ動きが鈍ったところをれみりゃに襲われたのだ。 たっぷりと栄養を取った健康なれみりゃは少々の寒さにもへこたれない。 秋風の中を自在に飛び、獲物を狩って冬に備える。 知能は消して高くないれみりゃが今日まで生き延びている理由は このあたりにあるのかもしれない。 「うぅ~はぁっぱぁ~ぱぁっぱぁ~はぁっぱぁっぱぁ~」 ばさばさと落ち葉や枯れ草、小石や小枝を巣の入り口に撒くれみりゃ 遊んでいるのではない。巣穴を偽装して隠しているのだ。 捕食種といえど油断は出来ない。長い眠りに付く冬眠中は尚更だ。 「うぅ~いぃしをつぅんでぇ~すぅきぃまぁをつぅめぇてぇ~つぅちぃをぉぬぅってぇ~」 親子代々伝わる歌のようなものを呟きながられみりゃは内側から穴を塞いでゆく。 巣穴の入り口に石と土と小枝を積み上げ、草や苔を隙間に詰め込む。 さらにその上から土をぺたぺたと塗りつければ封鎖完了だ。 「かんせいだどぉ~」 「やったどぉ~」「これであんしんだどぉ~」 入り口を塞いだらあとは眠るだけだ。 下草の上に親子三匹、川の字で寝転ぶ。 「う~!ふゆどをこすどぉ~!!はるまでぐっすりだどぉ~」 「はるまで~」「ぐっしゅり~」 おそらくもう数日で初雪が舞う。 この一家はそれすらも知らずに眠り続けるのだろう。 暖かい春の日差しが雪を溶かすまで となるはずであったのだが。 「うぅ~」 …ックザッ… …ックザック… 「う~?」 ザック…ザッ… 「うううぅ~!?」 ザクッ 「よしやったぞ!!」 「うー!!」 突然巣の中に光と寒気が流れ込んでくる。 飛び起きたれみりゃの目に白銀の世界と黒い二つの影が飛び込んできた。 「おし、大当たり!れみりゃだ。」 「やりましたね兄貴!!」 男たちはれみりゃを縛り上げると次々と袋の中へ放り込んでゆく。 「みゃあみゃあ!!」 「あがぢゃあああぁぁぁぁん!!あがぢゃあああぁぁぁぁん!!」 泣き叫ぶれみりゃたちを無視して袋を荷車に放り込む。 「ゆっぐりじねぇぇぇ!!」「だぜえぇぇぇ」「う~う~う~!!」 荷台には既にいくつもの袋が並んでいる。中身はすべて体つきのれみりゃかふらんである。 「こいつらは高く売れるからな。これで首が繋がったぜ。」 「兄貴が闘ゆっくりで有り金全部スっちまった時はどうなるかと思いましたけどね。 こんな特技があったんですね。兄貴って。」 この二人は人里に住む与太者たち。金策の為に一稼ぎしに来たのだ。 「死んだ親父がゆっくり取りの名人でな。俺もよく一緒に取りに行ったもんさ。」 「しかし饅頭なんざいつでも一緒じゃないんですかね?なんで今だけ高くなるんです。」 「ばーか、ゆっくりだって旬ってのがあるんだよ。れみりゃやふらんは今ぐらいの奴一番だ。 冬を越すためにたらふく食って油が乗ってるからな。質が違うんだよ。 知ってるか?なんでこいつらに体がついてるのか。」 「いえ、知りませんね。人間みたいに動けるからですかい?」 「それが違うんだよ。こいつらは道具を使える頭がねえからな。 栄養を蓄えるためなんだよこいつらが体つきなのは。」 「へえ、じゃあ兄貴の下腹といっしょですかい。」 「おめぇあとで覚えてろよ。まあそんなもんさ、冬眠中に困らないようにそうなったんだろうな。 同じ肉まんでも頭と体じゃ味も値段も違うんだ。」 荷車をがらがらと引きながら歩く二人 荷台には二十匹ほどのれみりゃとふらん。 「じゃあこないだのれみりゃに自分の子供で肉まん作らせてた店。 だから高かったんですね。」 「そうさ、あの店のは本物の親子だからな。体は取っても死なないってわかってるから体で作るんだ。 赤の他人のれみりゃに作らせると頭も体も関係なしに…おっとまたあったぜあそこだ。」 「よくわかりますね。俺にはぜんぜんわからねえや。」 「年季がちがうさな。年季が」 男はそういいながらスコップでざくざくと雪を掘っていく。 数十センチ掘ればぼこりと土がへこみその向こうには体つきの 「むきゅうぅぅぅ…ごほん……」 紫色の奇妙な物体。そして大量のチラシや新聞紙 一瞬ゆっくりぱちゅりーのようにも見えたが微妙に違う。 もやしのように細いが体がついているのだ。 「ありゃ、違ったぜこいつは」 「なんですこの紙くずまみれのは」 「こりゃあぱちゅりぃだな。体つきのゆっくりぱちゅりーだよ。 穴の塞ぎ方が似てるから間違えたんだ。」 「案外兄貴もあてになりませんね。」 「うるせえな久々なんだから仕方ねえだろ」 男達の会話をよそに冬眠中の巣穴を暴かれたぱちゅりぃは 大量の紙屑に囲まれて眠ったままだ。 いや、反応が薄いだけで起きてはいるのかもしれない。 どちらにせよ頭に霞が掛かっていることに代わりはないが。 「で、こいつは売れるんでしかい?兄貴 こいつの体も油が乗ってるんでしょ?」 「こいつの体はなぁ…ちょっと違うんだよ。」 「と、いいますと?」 「こいつは食うモンがなあ…ああ、見ろよほれ。」 むきゅむきゅと寝言を呟きながら手を伸ばすぱちゅりぃ その手が掴んだのは干からびた野菜くず。 ではなくなんと紙屑の山の中のチラシだった。 「えっと兄貴、まさかこいつ。」 「そのまさかだ。見てろよ。」 チラシを掴んだぱちゅりぃは 「むきゅうぅん。むきゅうぅん。」 それをそのまま口に運んだ。 しばらくの間もしゃもしゃと咀嚼したあとゆっくりと飲み込む。 この間なんと35秒、驚異のゆっくりっぷりである。 よく見てみれば紙屑だらけのぱちゅりぃの巣に食料はほとんどない。 あるのは紙屑ばかりである。 防寒材としては優秀かもしれないが普通なら食料にはならない。 それを食料にしてしまうのが歩く紫もやしことぱちゅりぃである。 虚弱でありながら妙に頑丈な肉体を持つ彼女は 生き延びるために驚異の消化力を身につけたのだ。 「こいつってこんなもんばっかり食ってるんですかね?」 「らしいな。弱くてまともな餌は取れないからこんなもんを食うんだろうが。 栄養も殆どないだろうからな。だから弱いのかもな。」 「卵が先か鶏が先かみたいな話ですね。で、こいつは食えますかね?」 「筋だらけだろうさ。やめとこう。」 その時男たちは下から見上げる視線に気づいた。 いつのまにかぱちゅりぃが目を覚ましていたのだ。 独特のどろりと濁った目で男達を見つめるぱちゅりぃ 常にもぐもぐと動き続ける口をゆっくりと開くた。 「ごほんはどこ?」 「は?」 「むきゅぅ、もってかないでぇぇ…」 蚊の鳴くようなか細い声で喋るぱちゅりぃ 白い雪と黒い土、灰色の紙屑と紫色のぱちゅりぃ 前衛芸術家かなにかなら喜ぶかもしれないが男たちにはもう限界だった。 「はいはいごほんね、ごほんだよ」 そういってちり紙代わりの天狗の新聞をぱちゅりぃに押し付ける。 「むきゅぅぅぅごほん、ぱちゅりぃのごほん」 嬉しいのだろうか上体を陽炎のように揺らすぱちゅりぃ 「あーはいはいよかったねごほんだね。おやすみね。」 「春までねむってようなぁぱちゅりぃ」 「むぎゅうううぅぅぅぅ!!」 ぱちゅりぃの体を紙屑の山に押し込むと そのまま土をかけて埋めもどす。 少々手荒すぎる気もするがなに紙を食べて生き延びられるゆっくりだ。 これくらいはどうということもあるまい。 「しかしあんなゆっくりもいるんですね。兄貴」 「わからんもんだな。案外と」 荷車を引きながら人里を目指す男達 荷台のれみりゃ、ふらんの体力も尽きたらしく静かなものだ。 冬を生き延びようとゆっくりを食べたこのゆっくりたちは 冬を彩る肉まんアンまんとして人々に食べられる。 なんとも因果な事ではないか。 「おそくなっちまったな。しかし」 「晩飯にこいつらでも食いましょうか。」 「馬鹿言うんじゃねえよ。まったく」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4315.html
注意 某マンガのパクリあり。 その他いろいろ 【ゆっくり兵団】 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 さて、今森ををのたのたと跳ね回っているのは説明不要の饅頭ナマモノ『ゆっくり』 今日も今日とて親子仲良くあっちへふらふら、こっちへふらふら。 「ゆっくりできるよ!」 「みんなでゆっくりしようね!!!」 無計画にふらつくものだから今どこにいるのかを把握している者はいない。 だが彼女らはそれでよかった。 決まった住処を持たずに食べたいときに食べ、眠りたいときは眠る。 この森には彼女たちに関わろうとする物好きな生物はいない。 「みんな! おかあさんと一緒にゆっくりしようね!」 「まりさはこっちであいしそうなくささんを見つけたよ!」 両親はれいむとまりさ。ごく普通な組み合わせ。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「おいしいよ! もっといっぱい食べるよ!!!」 子ゆっくりは四匹。れいむ二匹に、まりさ二匹。 本当にありふれた配分。 「ゆっくり眠くなってきたよ!」 「ゆっくり眠るよ!!!」 「「「「「「ゆー…」」」」」」 一家そろって夢の中へ。 所変わって、森の外れ 「あのおうちの中にはきっとあまあまも美ゆっくりも沢山いるはずなのぜ!」 「あれはれいむ達の物なのに人間が邪魔するから入れないよ!!!」 「でも今はあの田舎者人間はどっかへ行ったわ! 今のうちにはいるわよ!」 「むきゅ! 人間はずる賢いからきっと罠が仕掛けてあるわ!!!」 「それじゃあ、適当なゆっくりを使って安全を確かめさせるのぜ!」 説明不要のゲス四匹。人間の家を乗っ取ろうと画策中。 多少は頭がよいのだろうか、人間が罠を仕掛けたであろう事を予想した。 そして、その罠を見極めるためのスケープゴートを探しに森へ。 「早速見つけたのぜ!」 「むきゅ! 早速人間の家に入れてみるのよ!」 何の因果か、ゲス達が見つけたのは先ほどの一家。 全員ゆぴーゆぴーと呑気に寝ていた。 「おきろおおぉぉぉ!!! れいむのためにおぎろおおぉぉぉおおお!!!」 ゲスれいむが大声で叫ぶ。 「「「「「「ゆわー!」」」」」」 突然の大声に飛び起きる一家。 「なんなの!? 今の!?」 「ゆっくり出来ないよ!!!」 「ゆっくりしていってよー!!」 不満を口にする一家。 「うるさいのぜ!」 ゲスまりさが叫び、一家を黙らせる。 「いい、よく聞くのよ! あなたたちにはゆっくりあのおうちに入って貰うわ!」 ゲスありすが説明するが、ここはまだ森の中。人間の家は見えない。 とりあえず一家を人間の家の前まで連れて行く。 「ゆー! 大きいね!」 「すごいね! ゆっくり出来そうだね!!!」 「れいむ、あのおうちに入ってみたいよ!」 「まりさも! まりさも!」 大はしゃぎする一家。 「なにこいつら! すごい馬鹿だよ! ぷーくすくす!」 「馬鹿だから都合がいいのぜ! さあ、さっさとまりさ様のおうちに入ってくるのぜ!」 ちゃっかりおうち宣言をしつつ、一家を人間の家に侵入させる。 この家ではゆっくりを飼っているのだろう、 ドアにはご丁寧にゆっくり用の出入り口が取り付けられていた。 「ゆー! ゆっくり出来る大きいおうちだよ!」 「すごいよ! こんなおうち見たことないよ!!!」 今まで狭い洞窟や木の洞を「おうち」としていた一家からすれば、 まさにこの世の楽園のように見えたのだろう。 早速家の中を跳ねて探検を開始する。 テーブルや椅子に飛び乗り、暴れる。 当然、暴れ回った衝撃で家具やら食器やらが落ちる。 テーブルの上に乗っていた皿も床に落ち、皿の上に乗ってた食べ物も落ちる。 「ゆ、これおいしいよ!!!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!」 「みんなでいっぱいごはんさがそうね!!!」 「「「「「ゆー!」」」」」 こんな調子で家の中を荒らす一家。 ゲス達は一家の様子を見て、この家なら安全だと判断した。 「よーし、まりささま達も突撃するのぜ!」 「むきゅ! 決戦の時よ!」 「都会派は焦らないわ!」 「れいむのおうちに行くよ!!!」 早速家に入り込むゲス四匹。 「まずいぞまずいぞっ!」 「くー」 「寝てる場合じゃないぞっ!」 「へぎょ!」 寝室から居間と台所の惨状を目の当たりにするこの家の飼いゆっくり。 ゆっくりえーきとゆっくりこまち。 寝室で二匹そろってお昼寝をしていたら、ゆっくり達が侵入してきた。 皿の割れる音で目を覚まし、寝室のドアを少しだけずらして様子を伺うと、 ゆっくり数匹が部屋を荒らしていた。それどころか、今度は侵入者の数が増えた。 「このままじゃまたおとーさんに怒られるぞっ!」 「えーきさま、ゆっくりお昼寝させてくださいよぉ…」 「そんなこと行ってる場合じゃないぞっ! 居間と台所をよく見るんだぞっ!」 「全く…えーきさまはもうちょっとゆっくりしたほうg…へぎょおおおお!!!」 こまちもようやく事の重大さを知ったようだ。 「え、え、えーきさま! どうしよう!」 「と、とにかく追い出すんだぞっ!」 ばんっ! 「お前達! 今すぐここから出て行きなさい!」 「そ、そーだ! そーだ!」 出せる勇気の全てを出して出て行かせようと声を張り上げるえーき。 それに続くこまち。 「ゆ! えーきとこまちだよ!!! ゆっくりしていってね!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 思わず反応してしまう二匹。 「! こまち! 反応しちゃだめだぞっ!」 「えーきさまだって反応したじゃないですかぁ…」 「ゆっくりしようね! えーきもこまちも一緒にゆっくりしようね!!」 「みんなでゆっくりすればゆっくりできるよ!!!」 「だめだぞっ! ここはおとーさんとえーきとこまちのおうちだぞっ! 早く帰るんだぞっ!」 「そーだ! そーだ!」 「ゆー! 一緒にゆっくりしようよー!」 「ゆっくりー! ゆっくりー!」 不毛な言い争いをしていたらゲス達が駆けつけてきた。 「うるさいのぜ! お前ら全員まりささまのおうちから出て行くのぜ!」 「むきゅー! もう馬鹿に用は無いわ! 消えなさい!」 「れいむがゆっくりするために馬鹿はみんな死んでね!!!」 「ゆゆゆぅ!? やっぱり飼いゆっくりがいたわ!!! 都会派なありすをすっきりさせてねええぇぇぇぇ!!!」 「ゆあー! れいぱーまで居るなんて聞いてないぞっ!」 「えーきさま! 一旦にげましょう!」 ぽいん、ぽいんと逃げ出す二匹。 廊下に出るも、すぐに追いつかれる。 「ゆっへっへ! まりささまから逃げられると思ってるのぜ!」 ぼいんっ! 「いたいぞっ! ひどいぞ!」 「怠け者のこまちはれいむがゆっくり殺してやるよ!!!」 ぼよんっ! 「へぎょぉぉおおお!!!」 ゲスに嬲られる二匹。 「んほおおおぉぉぉぉ!!!」 「よけるぞっ!」 えーきはありすの体当たりをぎりぎりの所で避けた。 さすがにレイパーに捕まるわけにはいかないという事だろう。 ありすは止まることも出来ずにそのままゲスまりさへ。 「んほおおおぉぉぉぉ!!!」 「こら! アホありすの分際でまりささまとすっきりするなんて ひゃくねん早いのぜ!!」 ぼいんっ! 「いだいわああぁぁぁぁ!!!」 「むきゅきゅ! まりさもありすも馬鹿ね!!! えーきはぱちぇにあっさり殺されるが良いわ!!!」 ぽいん! 「ひどいぞっ!」 「ゆっくりしてないね!」 「みんなゆっくりしようよ!」 物陰からビクビクしながら小さくしゃべる子れいむ、子まりさ。 他のゆっくり達は居間でのんびりくつろいでいた。 ぼよん「れいむに、」ぼよん!「殺されるなんて!」 ぼよん「光栄に思ってね!!!」 「へぎょぎょ…、ゆ、ゆ、ゆぎぎぎ…! ゆがああぁぁぁああああ!!!!」 ぼよん! 無抵抗だったこまちがれいむを跳ね返した。 突然、こまちが叫んだ。早い話がキレた。 ゲス達もあっけにとられた。 「えーきさま! もう我慢できない!!! 『アレ』をつかいますよ!」 「こまち! 落ち着きなさい! 『アレ』を使ったらまたおとーさんに怒られるぞっ!」 「今使わないでいつ使うんですか!?」 「う、しかたないぞっ!」 二匹はそれぞれ壁に仕掛けられた隠しスイッチを押す。 すると、天井がぱかりと開き、丸い物が沢山落ちてきた。 よく見るとそれはゆっくり。しかし普通のゆっくりではない。 全てのゆっくりの目はえぐられ、眼窩には詰め物がされ、 額のあたりに目玉が取り付けられている。 ほとんどが髪の毛がない禿饅頭で、継ぎ目のような奇妙な模様がついている。 「なんなのぜ…?」 「ゆ、ゆぎゃあ"ああ"あア"アああアあ"あぁあ"あアあ"ああ"! あア"あぁア"ああ"アあ"あ! あ"あア"アああアあ"あぁあ!!! ゆぎい"イ"ぃぃぃ"あアあ"あアぁ"ぁァ"ああ"アア"あ" ユ"ギャあ"ああ"あア"アあ"あア"アああアあ"あぁあ!!!」 ゲス達も様子をうかがっていた子れいむ子まりさも皆戦慄した。 この世の物とは思えない恐ろしい悲鳴を上げる禿饅頭達。 しかも禿饅頭達の容姿は恐ろしく醜く、また動きも気持ち悪い。 「「ゆ、ゆ、ゆっくりしいってねー!!!」」 子れいむと子まりさはゆっくり出来ない気がしたが、 いつものようにみんなとゆっくりする時のように挨拶した。 「「「「「「ゆぎぃっ!?」」」」」」 禿饅頭達が一斉に居間の方を向いた。 「ゅっぐりぃ…」 「おどぉざん…」 「いだぃよ"…」 「だずげで…」 「ゆ、ゆ? みんなでゆっくりしようね!」 恐怖心を押さえ、話しかける 「ユ"っぐり…」「ゆッグリ」「ゅっくり"」「ユッグリ…」 「そ、そうだよ! ゆっくりだよ!」 がぶりっ! 「ゆ…」 子まりさが最後に見たのは自分に群がる禿饅頭達の姿だった。 「ゆああああぁぁぁぁ!!!! まりさ! まりさーーーーー!!!」 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"ああ"あア"!!!」 子れいむは子まりさが殺され、パニックに陥り、居間に居る両親の元へ 禿饅頭達もそれを追う。 「ゆわあああああ!!!! なんなのあれえええええ!!!」 「ゆっくりしていってよー!!!」 「いやああああ!!! れいむをたべないでえええええ!!!」 数十匹にたかられたゆっくり一家はあっという間に全滅した。 「に、にげるのぜええええええ!!!」 「れれれれれ、れいむもにげるよおおおぉぉぉぉ!!!」 「こんなのどかいはじゃないいいいぃぃぃ!!!」 「むぎゅーーーーー!!!」 玄関へ向かうゲス達。 「一匹たりとも逃がさんぞ!!! 覚悟しろ!!!」 玄関のゆっくり用出入り口には恐怖で泡を吹いて気絶したえーきと 鬼の形相でゲス達を睨み付けるこまち。 「れいむに勝てると思ってるの? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「むきゅー! れいむ! さっさと馬鹿こまちを殺してね!!!」 「田舎者はさっさと死になさい!!!」 まりさだけ、黙ってその場から離れた。 「ゆー! れいむの体当たりでゆっくりしね!」 「うるさいっ!!!」 ぼよんっ! ぶち切れたこまちの体当たりはれいむを逆に吹き飛ばし、 「いだいいいいぃぃぃ!!! どぼじでごんなごとするのおおおお!!!」 れいむは泣き出した。 その声に反応したのは居間でゆっくり一家を喰い殺し、 奇声を上げながら彷徨う禿饅頭達。 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"ああ"あア"!!!」 「でたあああああああ!!!」 「むぎゅうううぅぅぅ!!!」 「さっさとどきなざいごのいながぼのおおおぉぉおぉ!!!」 パニックを起こすゲス達。 こまちの下へも禿饅頭が押し寄せる。 「うわあああああああ!!!」 こまちは禿饅頭を真正面から見てしまった。 何度見てもおぞましいその姿にこまちは意識を手放した。 「な、なんだよこれ…」 帰宅した飼い主が見たのは野良であろうゆっくりの飾りの残骸に、 そこら中を奇声を上げながら蠢く禿饅頭。二匹仲良く泡を吹いて気絶しているえーきとこまち。 そして荒らされた我が家。 「はぁ」 ため息をつき、胸ポケットからリモコンを取り出し、スイッチを押す。 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"……………」 禿饅頭達はおとなしくなり、皆そろって玄関から外へ。 そして家の脇にある小屋へ。 「起きろ馬鹿たれ共」 ぺしぺしと二匹をたたいて起こす。 「ぅーん、まだ眠いんだぞっ…」 「お昼寝中だったのにぃ…」 寝惚ける二匹。 「ほぅ、それはともかく有様を説明して貰おうか! あれほど使うなって言ってた『実験体』まで使いやがって…」 「「ゆっ!?」」 二匹そろって素っ頓狂な反応をする。 「こ、これは…!!!」 必死に言い訳する二匹。 昼寝をしていたら野良共が侵入してきた。 応戦したが、勝ち目がなかったので『実験体』を解き放った。 しかし、怖くて気絶してしまった。 「ふむ…」 ビクビク震えて『お仕置き』に恐怖する二匹。 「まぁ、二匹とも無事でよかった」 二匹の頭を撫でてやる。ほっとする二匹。 「でも、これ片付けないとなぁ…」 家は散らかったまま。 「ふぅ、何とか片付いたな」 二匹の協力もあり、割と早めに作業が終了した。 「…二匹足りないな、まぁいいか。どうせ二・三日で死ぬし」 リモコンの液晶を見てつぶやく。 「ごめんなさい、おとーさん」 「あたい達が『実験体』勝手に使っちゃったから…」 「ほら、たいした問題じゃないんだ元気出せよ!」 「あ、寝室忘れてた」 やれやれと言いながら寝室へ。 がちゃ 「ゆぎっ! だ、誰なのぜ!!!」 「ゆ"っ!ゆ"っ!ゆ"っ!」 ベッドの上でガタガタ震える白黒饅頭とベッドの脇で痙攣する紅白饅頭。 「あっ! おとーさん! こいつらだぞっ!」 「悪い野良だよ!!!」 「へぇ、生き残りがいたか。良かった良かった」 言葉とは裏腹に青筋を立て怒り心頭の様子。 「お、おとーさん…」 「…お前達は二階で休んでろ」 スタコラサッサと二階に逃げる二匹。 「ま、待つんだぜ! そとは恐い奴らがいっぱいいるのぜ! おじさん、そいつらをやっつけて欲しいのぜ!!! それができたら特別にまりさと一緒にゆっくりしてもいいのぜ!!」 「ゆ"っ!ゆ"っ!ゆ"っ!」 「ふむ、とりあえず死にかけを治すか…」 餅とオレンジジュースを持って来て、死にかけて不気味に痙攣する饅頭を修復し、 オレンジジュースをかける。 「ゆ"ぃい"いぃぃ"」 低くうめき声を上げる紅白饅頭。 「まりさもあまあまさんが欲しいのぜ!」 「…」 「おじさん! よく聞くのぜ!! まりささまは強くてかわいいのぜ!! そんなまりさとゆっくりしたかったらさっさと言うことを聞くのぜ!!」 すっ 「ゆっ?」 ばちいいいぃぃぃん!!! 「いぢゃいいいいいぃぃぃぃ!!! なにするのぜええぇぇぇぇ!!! あやまるのぜええぇぇぇぇぇ!!!」 「…」 ばちいいいぃぃぃん!!! 「ゆぎゅううううぅうぅぅぅ!!!」 「…」 「いぢゃい! まりさのほっべさんがいぢゃいいいいぃぃぃ!!!」 両頬を遠慮無く引っぱたいた。 それだけであるが、ゆっくりとの喧嘩くらいしかしたことの無いまりさには この苦痛は耐えられる範疇を明らかに超えていた。 「黙れ」 しかし、男はそんな事情などどうでも良かった。 「さっきから『のぜのぜ』うるせーんだよ! このゴミ饅頭!!!」 びたああぁぁん!! 「ゅ、ゆぎぃぃぃぃいい!!」 「よくもまぁ、人の家荒らしてくれたなぁ、この糞饅頭!!! しかも俺のペットにまで舐めた真似してくれやがって!」 「そんなのしらないぃぃ!! まりさはえーきとこまちですっきりーしようとしただけなのぜ! おじさんのぺっとなんてしらないのぜええぇぇぇ!!!」 「その二匹が俺のペットだ! この糞饅頭がああぁぁぁ!!!」 ぶにゅっ! 「ふぎいいぃぃ!!! ふばないでえぇぇぇ!!! いだい! いだいよおおぉぉぉ!!!」 「さぁて、逃げた実験体の代わりになって貰うぜぇ…」 ぶにゅっ! 「いだいぃぃ!!!」 ぶにゅっ! 「やめでええぇぇぇ!!!」 ぶにゅっ! 「どおじでこんなごどするのおぉぉぉ!!!」 ぶにゅっ! 「もおやだ! お"う"ちかえ"る"ううぅぅぅ!!!」 何度も踏みつけられすっかり球体から文字通りの潰れ饅頭になったまりさ。 逃げるために跳ねようとしても、潰れた体ではのろのろと這いずるのが関の山。 そして、男がそれを許す理由もない。 むんず 「い"やあ"ああ"ぁぁぁ!!! はなじでえ"えぇぇ"ぇ!!!」 パァン! 「ゆ"ぎい"いい"ぃぃ"ぃ」 パァン! 「ゆ"ぎゃあ"ああ"ぁぁ"」 パァン! 「だずげで! だれがだずげでぇぇぇ!!!」 往復ビンタである。男はまりさの饅頭ボディに亀裂が入らない程度の力で叩くが、 一撃一撃がゆっくりにとっては致命傷になりかねない攻撃。 まりさが悲鳴を上げることも出来なくなった頃になってようやく解放された。 「さて、もう一匹の方が目ぇ覚ます頃だな」 男は透明な箱にまりさを放り込み、すでに意識を取り戻したれいむの下へ。 「こないでえぇぇぇ!!! れ"いむ"じにたぐないいいぃぃ!!!」 ズンッ! 「ほごおおぉぉぉ!!!」 男の蹴りはれいむの口に刺さり、歯を全てへし折った。 「おや、全部折れたか。」 男はやれやれと言いながら、れいむの口を無理矢理限界まで広げた。 めりめりめりっ! 「……!!!」 音を立て、裂けるれいむの口。 「ゆ…ぁ…あ…」 涙を流し、苦痛と悔しさを訴えるが、男にはどうでも良いこと。 「おーい! えーきとこまちー! インプラント二個持ってきてくれー!」 呼ばれた二匹はすぐさまやってきた。 「持ってきたぞっ!」 「もってきたよー!」 「お礼はちうでよいぞっ!」 唇を突き出し、目をきっちり閉じるえーき。 男は無言でこまちを持ち上げ、 ぴと 「んちゅうぅぅう…」 えーきは唇に何かが触れた途端にそれに思い切り吸い付く。 (ん、なんか変だぞっ! おくちがせまいぞっ!) 「へぎょ! えーきさま大胆ですよぉ…」 「ん? なぜにこまちいぃぃ!」 えーきとキスしたのはこまちのあにゃる。 「こまちのケツにキスしなってとこだな!!!さ、上に戻った戻った」 こまちが妖しい趣味に目覚める前に二匹を二階に追いやる。 「よいしょ、と」 二匹に持ってこさせたのは入れ歯。それをまずれいむに取り付ける。 ずぶっ! 「んぎいいいぃぃぃぃ!!!」 人間のそれとは違い、歯肉に当たる部分に返しのついた金属棒を思い切り突き刺す仕組みになっている。 そのため、入れ歯の取り付けには激痛が伴い、また取り付けたら最後、自力での取り外しは不可能。 「さて、と」 男は目一杯開かれ、裂けてしまったれいむの口を閉じる。 「ゆ……あ……が…が…」 れいむはか細い声で苦痛を訴えるが男は気にせず、口を閉じさせ、 裂けた部分を餅で修復し、オレンジジュースをかけた。 「……ゆ"っ!……ゆ"っ!……ゆ"っ!」 極度の苦痛で痙攣を始めたれいむを放置し、まりさに向かう。 「いやぁぁぁ! ごないでええぇぇぇ!!!」 悲鳴を上げる程度には回復したまりさ。 「ふぅ、もうこんな時間か…」 「おとーさん! おなかすいたぞっ!」 「ご飯食べておねむしたいよ…」 「おう、悪い悪い。すぐ用意するから待ってくれ。」 「わかったぞっ!」 「くー…」 早速うたた寝を始めたこまちを抱き上げ、えーきを伴い部屋を出る。 残された饅頭二匹はグズグズとべそをかきながらそれを見送った。 一ヶ月後 「のぜええぇぇぇ!! えええええええ!!!」 「ゆぎゃああぁぁぁ!! ああぁぁああああぁぁ!!!」 「オラァ! もっと声ださんか! クズどもが!!!」 度重なる虐待は二匹の体も精神も破壊し、その度にオレンジジュースと 怪しげな薬によって強制的に回復させられる。 薬の副作用により、頭髪はすべて抜け落ち奇妙な文様が浮かび上がる。 絶えず二匹には激痛が走り、最近では言語能力も失われ、 叫び声以外のしゃべり方を忘れてしまっていた。 顔には恐怖と絶望が刻まれ、常に恐ろしい形相を浮かび上がらせている。 「ふぅ、そろそろ最終段階だな…」 叫び続ける二匹を防音機能付きの透明な箱にしまい、つぶやく。 「こまち、えーき」 呼ばれた二匹はぽよん、ぽよんと跳ねよる。 「目玉を持ってきてくれ」 「よいぞっ!」 「わかったよ!」 二匹は男の部屋から文字通り「目玉」を持ってきた。 「よし、いい子だ。お前たちもよく見ておけ。これがゲスの末路だ」 男は透明な箱から二匹の禿饅頭を取り出し、床におく。 「よし、お前らよく聞け。今から、まりさとれいむというゆっくりは消えて無くなる。」 二匹の禿饅頭はびくんと震えた。 「どうせもうお別れだから教えてやるよ。初日に見た禿饅頭どもを覚えているか? あれな、実は元ゆっくりなんだよ。 お前たちのように体も心も破壊し尽くされて、あんな姿になったんだ。 わかるか? お前たちもこれから、目玉をえぐられて、この目玉を突っ込まれると あの禿饅頭たちに本格的に仲間入りするんだ」 「の、の、のぜええぇぇぇえええぇぇええええ!!!」 「ゆぎゃああぁぁあぁぁうああああぁああ!!!」 初日に見たあの醜い禿饅頭の仲間入りをすると言うことを伝えられ、慟哭する二匹。 残ってはいるが虐待と薬の副作用でほとんど見えなくなってしまった目からおびただしい量の涙を流す。 「さて、それじゃあ、『処置』をしちまうか」 ナイフを手に取り、禿饅頭を押さえる。 ぐちゅ、と音を立てナイフが目に吸い込まれた。 「の、のぜえエ"ぇェ"ェえ"えエ"エぇ"ぇぇ"!!! え"ぇ"ぇえエえ"ぇ"ェ"」 ずっちゃっ、くちゃ、くちゃ…… 二匹ともナイフで目玉を原型をとどめいないほどに滅多刺しにされた。 「うん、よく混ざった。後はこれにふたをして…と」 男はてきぱきと水溶き小麦粉で蓋して患部にオレンジジュースをかける。 水溶き小麦粉が違和感なくなじむと、今度は額の部分にナイフで切れ込みを入れ、 まりさだった禿饅頭にS-118と食紅で刻印を彫り、れいむだった禿饅頭にはS-119と刻印を彫った。 「……さて、これで本格的にお別れだ。さようなら。まりさ、れいむ。 こんにちは実験体ナンバー118号、119号」 「よし、動作確認完了…と」 「お、おとーさん!」 「ん、どうした? いや、聞かなくてもわかってる。最近構ってやれなかったからな。 ちょうど『実験体』の抜けを補充できたことだし、明日はゆーえんちにでも連れて行ってやるよ。」 ぱぁっと表情が明るくなる二匹。 「せっかくだから抱っこしてほしいぞっ!」 「ああ、わかったわかった。」 男は二匹を抱き上げ、部屋を後にする。 えーきとこまちの頭にはシルバーバッヂ。 そして人間で言うところのうなじの部分にはC-011とC-012の刻印が施されていた。 終わり 言い訳タイム なんだこれ →ハガ○ン22巻で登場した『死をも恐れぬ軍団』を見て思いつきました。 あまりにもインパクトがあったのでつい ○○がおかしい →いつものことです。気にしないでください。 「へぎょ」って何? →某エロ本で小町が風○に行ったときに発した言葉 おまけ 「主任、『ゆっくり兵団』の指揮官型ゆっくりについてなんですが…」 「なんだ?」 「戦闘能力を付加するか強度の強化をすべきではないでしょうか。 と言いますのも、この間の実験でゆっくりの群れに派遣しましたところ、 兵士型はほとんど無傷でしたが、指揮官型は片方大けがを負っていました。 ご存じの通り指揮官型が死ねば兵士型の統制がとれなくなって回収が困難になります。 今は二匹同時に任務に向かわせることで指揮官型の全滅を押さえていますが、 これはコスト的に問題があると思いますし…」 「なるほど、君の言うことは一理あるな。指揮官型の耐久性強化だけ採用しよう。 二匹一組型は変えないつもりだがね。」 現在、とある団体で『ゆっくり兵団』を開発している。 ゆっくり兵団は指揮官型ゆっくり数匹と兵士型ゆっくり数十匹で構成され、 主に森や山に住み着いたゆっくりの群れの駆除を行う。 指揮官型と兵士型の特徴は以下のとおりである。 ○指揮官型 シルバーバッヂ以上のランクのゆっくりが使われる 兵士型用のコントローラが内蔵され、意識するだけで兵士型を操れる 兵士型の醜い容姿に耐えられるよう訓練されている ○兵士型 主に野良や人間の住居に侵入した物や飼いゆっくりに被害を与えたものが使用される 虐待のプロフェッショナルにより心身ともに破壊し尽くされ、醜い容姿となっている 目玉型制御装置を内蔵し、外部コントローラや指揮官型に搭載されたコントローラにて制御される 常軌を逸した醜い姿で、見たゆっくりは大抵「足がすくんだ」状態となる シルバーバッヂ以上のバッヂをつけたゆっくりには害をなさないよう制御されている 歯にゆっくり消化酵素を仕込んだインプラントが採用され、 噛まれたゆっくりはたとえその場を逃れても、翌日には酵素に消化されてぐずぐずに溶ける 開発者達によれば、実験は行っていないものの、 ドスまりささえも駆除できるであろうと想定している。 これによりローリスクで手間いらずなゆっくり駆除を目指すとのこと。 主任はつぶやいた。 「……製品化に向けてそろそろ虐待マニアの確保とか急がないとなー」 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ このSSに感想をつける